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地方
「駿府公園」→「駿府城公園」 静岡市がプロジェクト
■観光客誘致へ「城下町」前面
静岡市の交流人口拡大に向けたプロジェクトがスタートした。4月から城下町を強調することを狙いに同市葵区の中心部にある「駿府公園」の名称を「駿府城公園」に改めたほか、再来年の完成を目指し、公園内の南西側にも櫓(やぐら)を建設する。また、公園近くに総合歴史博物館を新設する検討も始めた。「静岡市は行く場所がない」という声が多く、県内外からの観光客数が伸び悩んでいるのが実情で、市は観光施設を中心部に整備することで観光客誘致に乗り出す。今後、駿府城の再建も検討していく方針だ。
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駿府城公園では5日、公園の名称変更を記した石碑を設置したことを記念した除幕式と、平成26年3月の完成に向け、南西側に建設する坤(ひつじさる)櫓の建築安全祈願祭が実施された。参加した田辺信宏市長は、名称変更の狙いを「観光施設としての位置づけと、城下町に住むという誇りを市民に持ってもらいたいため」と説明。今回のプロジェクトを「観光客誘致に向けた第一歩」と位置づけている。
また、先月22日には総合歴史博物館の新設に向けた建設検討委員会の初会合も実施。駿府城跡地にある旧青葉小学校を解体し、博物館を建てる方針が確認されている。市の担当者によると、博物館には、駿府が日本の中心だった時代の家康ゆかりの品々などを集めることなども検討しているという。
田辺市長は、「静岡市は全国の県庁所在地で唯一、歴史博物館がなく、世界標準のまちづくりを進めるうえでは不可欠」としており、博物館を観光施設の新たな目玉としたい考え。
市がこうした取り組みを進める背景には、静岡市のイメージが「富士山」「茶」などに限定され、観光客数がここ数年伸び悩んでいることが挙げられる。首都圏で数年前に行った静岡市のイメージを調査したアンケートでは、伊豆地方を連想する回答も多かったという。
田辺市長はこの日、今後の駿府城再建についても言及。「再現も含め、市民の議論に委ねたい」と機運の高まりを期待した。
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