中間貯蔵施設で県と町村が会合4月26日 20時50分
原発周辺の自治体が抱える課題について、福島県と双葉郡の8つの町村が意見を交わす初めての会合が開かれ、除染で出る土を保管する中間貯蔵施設については、賠償や除染などの問題の解決が先決だとして具体的な協議までは進みませんでした。
中間貯蔵施設は、除染で出る大量の土などを最終処分場ができるまでの間、保管するもので、国は、先月、双葉町、大熊町、楢葉町の3か所に分けて設置する案を示して地元への理解を求めています。
これを受けて、福島県と双葉郡の8つの町村長が、中間貯蔵施設など双葉郡が抱える課題について意見を交わす初めての会合が開かれました。
会合では、佐藤知事が「双葉郡が抱える課題を解決していくために課題を共有し、私が先頭に立って、皆さんと一緒に努力していきたい」とあいさつしました。このあと、会合は非公開で行われ、出席者によりますと、国に対し、双葉郡全体で雇用の確保などについて具体的な検討を進めるよう求めているものの進んでいないことや、賠償や除染などの問題も十分解決していない段階では中間貯蔵施設の問題も前進しない、といった意見が出されたということです。このため、会合では、中間貯蔵施設を巡る具体的な協議までは進みませんでした。
協議のあと、双葉町の井戸川克隆町長は「賠償が進まないなかで、中間貯蔵施設などの問題が上から押しつけられることはあってはならないという話をした。今後、双葉郡全体で課題を出し合ってそれを共有し、国と具体的な交渉をしていくことになる。知事にも議論の中心になってわれわれを引っ張っていただきたい」と話していました。また、大熊町の渡辺利綱町長は、中間貯蔵施設の設置を巡る問題について、「互いに課題を共有して、県にリーダーシップをとってもらう方向性を確認したが、具体的な議論は進まなかった」と話していました。
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