京都府亀岡市で登校中の小学生ら10人が死傷した事故に絡み、京都府警亀岡署員が容疑者の少年(18)=自動車運転過失致死傷などの容疑で送検=の父親(47)に被害者の連絡先を無断で提供した問題で、府警監察部門のトップに当たる西村元希首席監察官は26日、府警本部で会見し、被害者10人全員の連絡先一覧を書面で提供していたことを明らかにした。書面の所在については現在、把握できていないという。
西村首席監察官は、提供した署員が交通課係長の50代の男性警部補だとした上で「調査・捜査の対象になっている」と明言。「今回の事案は法律違反の疑いが強い」と述べた。違反する可能性のある法令については言及を避けた。
会見での説明によると、書面は一部ワープロと手書きで作られた“メモ”。被害者10人の氏名、住所、電話番号が書かれており、少年の父親の求めに応じる形で男性警部補が部下に作成させていた。
男性警部補は今回の事故捜査にかかわっており、被害者の情報を無断で提供したことについて「少年の父親に謝罪をしたいと懇願され、安易に手渡してしまった。間違ったことをした。反省している」との趣旨の話をしているという。
同日未明には、同署の大棚吉一署長が記者会見。「(少年の父親に)連絡先を伝えるという不手際があり、被害者や家族を傷つけ、全く配慮が足りなかった。おわびします」と謝罪したが、署員が被害者全員の連絡先を口頭で教えたと説明していた。
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京都府警は26日朝、自動車運転過失致死傷などの疑いで亀岡市の少年宅を家宅捜索した。少年の伯父が取材に応じ、「遺族の心情を配慮しておらず、申し訳ない」と話した。