朝鮮王朝太祖の肖像画、国宝に昇格へ

 朝鮮王朝の創始者、太祖・李成桂(イ・ソンゲ)の肖像画(写真)が、朝鮮王朝時代の御真(王の姿を描いた絵)としては初めて国宝に指定されることになった。文化財庁は25日「太祖御真(宝物第931号)は、19世紀後半に描かれた移模本(原本をまねて描いたもの)だが、朝鮮王朝初期の御真の基本としての性格を有することから、国宝に昇格されるに値する十分な価値がある」として、国宝に指定することを予告した。

 御真に描かれた太祖は、王の平服である青い袞竜(こんりょう)の御衣(黄色や赤の絹製で、胸や背中、両肩に5本の爪を持つ竜の模様を金糸で縫い取りした衣服)と翼善冠(王冠の一種)を着用し、正面を向いて座っている。現存する朝鮮王朝の王の正式な御真のうち、全身を描いたものが完全な形で残っているのはこれが唯一で、芸術性や希少価値が高いと評価されている。現存する哲宗(第25代国王)の御真は全身を描いた軍服姿の絵だが、半分が焼け落ちた状態で残っており、また英祖(第21代国王)の御真は半身を描いたものだ。

 国宝に指定された御真は、1872年に当代最高の画家とされる趙重黙(チョ・ジュンムク)、朴基駿(パク・キジュン)、白殷培(ペク・ウンベ)などが、1688年に描かれた太祖の御真をモデルとして描いたものだ。記録によると、太祖の御真は1398年、1410年、1688年に描かれているが、いずれも現存していない。朝鮮王朝時代には、御真が古くなったり、劣化したりすると、王室の威信が低下すると見なされたため、原本そっくりにまねして描く作業が定期的に行われていた。

 文化財庁は今後30日間にわたって予告期間を設け、各界の意見を聴いた上で、文化財委員会の議決を経て、国宝に指定する方針だ。

金基哲(キム・ギチョル)記者
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