'12/4/26
呉市長、止まらぬ政権批判
消費税増税関連法案をめぐる駆け引きが活発化、衆院解散が意識され始める中、呉市の小村和年市長の民主党政権への厳しい発言が目立つ。周辺首長は与野党に配慮し公の場で踏み込んだ発言は少ないが、小村市長の口からは「政権交代は失敗」など辛口の政権批判が飛び出す。
自民党の寺田稔元衆院議員(広島5区)の講演会が24日に広島市中区で開いた政治資金パーティー。広島県議や呉市議、財界人たち約550人を前に、小村市長は出席した近隣の首長を代表してあいさつした。「政権交代という大きな社会実験はとんでもない失敗だった。社会実験は普通は1年だが、3年も続き、うんざりしている状況だと思う」と明言した。
一緒に登壇した首長は「政権への不満は分かるが、あんなにズバズバ厳しいことを言うとは」と驚いた。小村市長は「民主党の政権担当能力について疑問に思っていることを発言した」と説明する。
安価な後発(ジェネリック)医薬品の利用促進など社会保障費の抑制や受益者負担の政策に力点を置く小村市長は、これまでも子ども手当など民主党のマニフェストへの疑問を表明してきたという。民主党の三谷光男財務政務官(同5区)の後援会などが3月に呉市で開いたフォーラムではパネリストを務め、政権の社会保障改革に苦言を呈した。
一方、小村市長は再選を果たした2009年11月の市長選で民主の支援組織である連合広島の推薦を受けた。それだけに地元では次期衆院選での動向に関心が集まるが、小村市長は「批判はあくまで政権に対してのもの」と強調。「(三谷、寺田の両氏とも)呉にとっては大事な人物」と述べ、一方への肩入れを否定している。
【写真説明】政治資金パーティーであいさつに立ち、現政権へ厳しい注文をする小村市長(左から3人目)