【苫小牧市】 北海道には意外と宇宙に関係することが多かったりする。「CAMUI」との名で知られる北海道産ロケットや、毛利氏出身地である余市町の宇宙関連施設、大樹町も有名だ。宇宙に興味を持つ方ならご存じだろう。そして、「ミール」の存在も知っているはずだ。
ミールとは、旧ソ連製宇宙ステーションのコアモジュールのことで、実は世界で唯一現存するミールが苫小牧市にあるというのだ。それが「ミール展示館」である。しかもなんと「入場無料」である。行かなきゃ損!とはこのことである。場所は苫小牧市科学センターに隣接。中で連絡通路でつながっているので、両方を楽しむこともできる。
「ミール」はもともと屋外展示物だったが、覆う建物として「ミール展示館」が建設された。この建物はミールを収容する保管庫のようで、2階建て相当吹き抜けの館内中央にドーンと置かれている。2階通路から全貌を見てみると、これが宇宙に浮かんでいたのか・・・とちょっと感動したりする(ただしミール展示館のものは実物予備機なのであしからず)。
ミールは外から眺めて終わりというのではない。設置されている階段を上って居住スペースの中に入ることもできる。操縦席、トイレ、縦長で立って寝る寝室、作業台、扉が斜めに開く冷蔵庫、トレーニングマシーン、洗面台やシャワーなどなどを見学できるようになっている。実際に内部に入ってみると狭いなという印象。この中を無重力で動きまわるというわけだ。
パネル展示や、ミニチュア模型、そして、宇宙食のサンプル等が展示されており、宇宙一色。特に宇宙食はコレクションかというほど数多く陳列されている。国産や旧ソ連のものだけではなくNASAのものなど諸外国の宇宙食を比較するのも面白い。
ちなみに、ここミール展示館では、ミールのほか、「H2ロケット模型」「防災救急ヘリコプターはまなす」というミールという直接関係ない物も展示されているので、休憩がてら眺めてみるのもよいだろう。実際あまり入場者がいないようであるが、是非訪れてほしい。特に平日は人が少なくて一人占めのようであった。無料のミール展示館、意外と穴場、オススメである。
なお、なぜ苫小牧市にミールが来たのかといういきさつについては、こちらの記事を参考にしていただきたい。