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櫻井よしこさんへの質疑から明らかになった憲法9条改訂国軍設置派の限界

2012年04月25日 19:06

日隅一雄

本日、自由報道協会(FPAJ)主催で、ジャーナリスト櫻井よしこさんの記者会見に参加した。この会見、ご存知の方も多いと思うが、一問一答で、追加質問は原則としてなしという質問者側にとって厳しい条件で行われる。いかに、こちら側の聞きたいことを話してもらえるように持っていくか、まさに真剣勝負だ。私が櫻井さんに聞きたかったのは一点。櫻井さんが自衛隊を軍隊にするべきだと考えていることは分かっているので、「その後、いったい、アジアに恒久的な平和をもたらすためにはどうしたらいいのか?」ということだった。

私は、長期的に平和を実現するためには、日本人は何をしたらいいのか、という趣旨の質問をした。これに対し、櫻井さんは、「憲法9条を改正し、自衛隊を軍隊にすることで、アジアの大国日本が筋を通した外交を行うこと」という趣旨の回答をするにとどまった。

「長期的」というあいまいな言葉が、櫻井さんに上記のような回答でお茶を濁すことを許してしまった。

「憲法を変えて国軍を持った後、いったい、平和をどう実現するのか。軍拡が続くだけではないのか」と端的に聞くべきだった。

通常の会見なら、「そのあとのことを聞いているんです。ず~と軍拡合戦するんですか?」とつっこめるのだが、それはルール違反。だからこそ、質問の良しあしが明確に表れる。

今回、私の質問は、ゲストで来てもらっているという一瞬の躊躇から、大きな逃げ道をつくってしまい、櫻井さん自らに説明をしてもらうという大切な機会を失ってしまった。

しかし、それでも、今回の質問は意味があったと思う。

櫻井さんは、「長期的」という言葉にこちらの意図を感じ取ったと思う。しかし、正面から答えることができないからこそ、逃げ道に走りこんだんだと思う。

結局、自衛隊を軍隊として、先制攻撃ができるようにして、いったい、平和をどのように実現するのか?9条改憲論者は、そのことを説明できていないように思う。

アジアにおいて平和を実現するためには、中国を占領するつもりなのか?…世界で一番の大国になることが明らかな中国を相手に本気で戦争の準備をするのならば、それは、まさに、太平洋戦争の二の舞だ。当時世界最大の国家を相手に資源のない国が攻撃をした…。

日本は、その優れた力を結集し、新資源(エネルギー、レア資源代替品、水、食べ物)を開発し、資源競争による戦争を意味のないものにすることで、つまり、スタートレックでカーク船長が絶対敗戦のコバヤシマル・シナリオ(※1)による試験を事前に書き換えて、合格したというエピソードのように、世界をあっと言わせる構想と技術をもって新資源開発を実現してこそ、世界の平和に貢献できるはずなのだが…。

 ※1 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%A4%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%83%AB#.E3.82.B3.E3.83.90.E3.83.A4.E3.82.B7.E3.83.9E.E3.83.AB.E3.83.BB.

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