2012年04月26日
黒田、ダルビッシュの見事な投球と「統一球」問題
37歳の黒田と25歳のダルビッシュが海の向こうで素晴らしいマッチアップを見せてくれました。 ダルビッシュは、前回に引き続き94マイルの速球が低めに決まっていたのが良かったと思います。この低めの速球がいいコースに行けば、投球の幅が広げられ、安定させることができます。これは松坂にはありませんでした。 2シームも復活し、カッターがゾーンの中に決まるようになり、カーブは相変わらず効果的でした。 何より、自信にあふれ、試合を支配し、あのヤンキース打線を見下ろすような投球をしていたことが印象的でした。日本人投手のこういう光景はなかなか見られません。 球数が100球近くなっても球威が衰えず、芯を外していたので打球を詰まらせることができました。サイ・ヤング賞を取るくらいの資質があるのではないでしょうか。 黒田は、調子がよくなさそうで、昨年は94~95マイルまで出た速球も92マイル前後しか出ませんでした。しかし右打者にも左打者に対してもシュートが効果的で、毎試合平均5.5点取っている、あのレンジャーズ打線を2点に抑えたのですから、十分な内容だったと思います。 日の丸を背負ってダルビッシュが奮闘している間、海のこちら側では、情けない話が進行しています。 「統一球」が打てないので変えてくれというのです。 これを球団がいうのならまだ理解できます。 近視眼的発想とは思いますが、経営上不都合だから、よく飛んで景気のいい、昔の球に戻してくれというのは、理解できないではありません。 しかし、これを選手会が主張しているのです。 「統一球」は打てないからよく飛ぶボールに戻してくれ、という訳です。 現コミッショナーの加藤良三氏は、元駐米大使としては二人目のコミッショナーです。 一人目の元駐米大使コミッショナーの故下田氏は、外交官としてばかりではなく最高裁判事としても名を残した人です。 駐米中、野球を見に行った時、使えなくなったベテランのメジャーリーガーに対してファンが「Go to Tokyo!」と野次るのを聞いて憤慨したそうです。コミッショナーに就任して、すぐに飛ぶバットと飛ぶボールの使用を禁止しました。 現コミッショナーが統一球を使用したのも同じ発想です。もちろん球団間で条件をそろえる意味があったのでしょうが、間違いなく日本の野球を国際標準にしたいという気持ちがベースにあったはずです。 他の球技で他国と違う球を使ってパフォーマンスを向上させるという話を聞いたことがありません。野球の世界だけで起きている問題です。 あらゆるスポーツが共通の条件の下で試合をしている中で、このことを疑問に思わないのでしょうか。 プロ野球選手は、これまでフリー・エージェント、複数年契約、代理人の使用などメジャー・リーグの制度の導入を次々と勝ち取ってきました。 なぜ使用する球だけは日本特有のものに固執するのでしょうか。 また、日本で首位打者をとった選手が米国では活躍どころか1軍に定着することもできないという状態について何も感じないのでしょうか。 ファンがその事実をどれほど寂しく思っているか知っているのでしょうか。 プロ野球選手全体の水準を向上させようとは考えないのでしょうか。 プロ野球選手は要求するばかりでなく、自分たちがファンから要求されているものにも目を向けて欲しいと思います。 もし「統一球」がMLBの使用球より飛ばないというのであれば、MLBの公式球を使えばよいのです。MLBの公式球に変えてくれと主張すべきです。 「統一球」を変えてくれと、選手の方からはいって欲しくなかったです。 残念な話でした。
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posted by meanjoe |07:46 |
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黒田、ダルビッシュの見事な投球と「統一球」問題
コメント投稿者ID : OOH00030479
野球を愛する者として・・・
過去は過去として考えるべきではないか。
MLBに行った松井・イチロー・岩村・青木・川崎・西岡が「飛ばないから球を変えてくれ」とは思った事もないのではないか。
posted by ゴロー | 2012-04-26 09:23
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