自転車にお金を注ぎ込みすぎているのが周囲にバレてしまっているせいか、知人におすすめロードバイクを聞かれる機会が多くなっています。そこで、初心者におすすめのロードバイクを、2012年の最新モデルの中から25台選んでみました。正月太り対策の為にもここはひとつ、冬のボーナスでロードバイクを始めてみるというのは如何でしょう。
ここでは、「完成車」と呼ばれる、自転車のフレームや変速機、タイヤなど走るのに必要なものがセットになった自転車を紹介します。ただ完成車でもペダルは別売りのケースがあるので、ご注意を。また、走る際にはヘルメットとライトの装着もお忘れなく。ちなみに、これから挙げる各自転車メーカー毎の特色については、pedalfarさんのブログでも詳しく紹介されているのでそちらもご参考に。
目次
1. ロードバイクの種類
幾つか分類の仕方はありますが、今回はロードバイクの材質で分類して紹介します。現在製造・販売されているロードバイクの材質は大きく「カーボン」、「クロモリ」、「アルミ」の3種類があります。これらの違いは、重量や素材の特性からくる乗り味と価格に影響します。「カーボン」で作られたフレームの特徴は、軽い事です。また色々な形への加工が可能なので、フレームのデザインの幅も広がります。航空機や自動車でも注目されている素材ですが、欠点はまだまだ素材として高価である事。一方でよく言われる、「カーボンは耐久性が・・・」云々の話については、クロモリ等と比較すれば劣るのかもしれませんが、普通に乗る分には全く問題ないレベルです。経年変化についても、コーティング技術の進化もあり、現在ではあまり気にする必要はない様です。
「クロモリ」は、クロムモリブデン鋼の略で、いわゆる鉄のイメージです。包丁なんかにもよく使われている素材ですね。カーボンとの比較でいうと、やや重い代わりに衝撃吸収性は勝っています。段差を超えるときにお尻や腰にくる振動が、クロモリの方が若干軽減されます。一方の弱点は、やはり重い事。
「アルミ」のフレームの特徴は、クロモリと比較して同じ金属でも軽く、剛性が高い(≒乗り味が硬い)事です。軽量で価格もカーボンと比較すると多少安価なため、各メーカーのロードバイクラインナップの中で、一番価格の安いグレードがアルミで作られているケースも多いです。それでも高級モデルになると衝撃吸収性も高いアルミフレームはありますが、今回紹介するエントリーグレードでは、やはり一般的には軽くて硬いフレームのものが多いイメージがあります。
現在はカーボンが主流となりつつあり、値段もだんだん下がってきています。ですが同じ素材でも設計次第で乗り味も大きく変わるので、上記の素材の話はあくまでも目安として考えてみてください。選択する際には、
がポイントです。特に見た目はとても重要だと思います。気に入った見た目であればどんどん乗って上達すると思うので。その上でもっと極めたいと思えば上級グレードのフレームを買って、自転車のドロ沼にはまって散財していけば良いでしょう(笑)。2. カーボンロードバイク
最近はカーボンが主流になっているので、エントリーモデルでもカーボンでできたフレームが出てきました。さっそく初めての1台に最適なモデルをご紹介します。- COLNAGO(コルナゴ) “ACE TIAGRA”(267,750円)コンポ:TIAGRA
ロードバイクと言えばコルナゴ、というくらいの老舗メーカーの、カーボンフレームのエントリーモデル。他に、カーボンとアルミを組み合わせて作った“AIR 105″というモデルもあります。 - PINARELLO(ピナレロ) “FP DUE”(248,000円)コンポ:105
コルナゴと並びイタリアンバイクを代表する大手メーカーピナレロ。ピナレロの代名詞である左右非対称デザインはこのグレードでも継承されています。 - SPECIALIZED(スペシャライズド) “Tarmac”(220,000円)コンポ:TIAGRA
スペシャライズドがツール・ド・フランスなどのロードレースに投入するモデル”Tarmac”のエントリーグレード。 - TREK(トレック) “Madone 3.1″(189,000円)コンポ:TIAGRA
ツール・ド・フランス7連覇を達成したランス・アームストロングがかつて跨ったTREKの、エントリーバイク。 - CANNONDALE(キャノンデール) “SUPERSIX”(269,000円)コンポ:105
世界最軽量を謳うSUPERSIX EVOの系譜のエントリーモデル。こいつもやっぱりかなり軽量です。 - BIANCHI(ビアンキ) “SEMPLE”(231,000円)コンポ:105
ビアンキというとオシャレ自転車の印象が強いかもしれませんが、走るロードバイクもしっかり作ってます。 - GARNEAU(ガノー) “GENERATION”(178,500円)コンポ:TIAGRA
ガノーはルイガノのスポーツバイク部門。オシャレなルイガノのデザインはそのままに、レースで使えるロードバイクを開発しています。カーボンバイクがこの価格で手に入るのは魅力的。 - GIANT(ジャイアント) “TCR COMPOSITE3″(149,100円)コンポ:TIAGRA
自転車最大手ジャイアントのカーボンロードバイクは、最大手ならではの価格で手に入ります。 ロードバイクデビューには申し分なし。 - ANCHOR “RFX8 SPORT”(225,000円)コンポ:TIAGRA
お馴染みブリジストンが手掛けるスポーツバイクブランドANCHORのカーボンロードバイク。 - KUOTA(クオータ) “Kharma”(238,000円)コンポ:105
イタリアの新鋭ブランドKUOTAが手掛けるロードバイクです。(日本の輸入代理店HP未更新の為、リンク先は2011年モデル) - FELT(フェルト) “F6″(176,400円)コンポ:SRAM Apex
黒を基調にしたFELTらしいデザインに加え、その価格以上によく走るコストパフォーマンス良好な1台。 - BMC(ビーエムシー) “roadracer SL02″(252,000円)コンポ:105
2011年のツール・ド・フランス王者カデル・エヴァンスが使用したBMCのエントリーモデルロードバイク。ごつごつしたみるからに戦闘力の高そうなバイクです。
3. クロモリロードバイク
伝統のスチールバイク。ホリゾンタルな佇まいが格好いいです。- GIOS(ジオス) “AIRONE”(120,750円)コンポ:TIAGRA
スチールバイクと言えばGIOS。 幅広いラインナップも魅力。このモデルは”アイローネ”と読みます。 - BIANCHI(ビアンキ) “IMOLA”(132,300円)コンポ:TIAGRA
ビアンキ伝統のChelesteカラーが映えるクロモリバイク。SORAで組んである“LUPO”は(94,500円)から。 - ANCHOR(アンカー) “RNC3 SOPRT”(155,000円)コンポ:TIAGRA
ブリジストンがANCHORブランドで発売するクロモリロードバイク。他にANCHOR SPORTという別ラインのブランドもあります。
4. アルミロードバイク
各メーカーがトップグレードのロードバイクで培った技術をフィードバックしたアルミのエントリーモデルを集めました。- COLNAGO(コルナゴ) “MOVE”(168,000円)コンポ:TIAGRA
COLNAGOロードバイクラインナップのエントリーに位置するモデル。シマノ105コンポーネントで組まれたモデル(194,250円)もあります。 - PINARELLO(ピナレロ) “FP UNO”(188,000円)コンポ:TIAGRA
エントリーモデルでありながら、手を抜かずに左右非対称デザインで仕上げています。 - GIOS(ジオス) “AL LITE”(120,750円)コンポ:TIAGRA
伝統的なイタリアンカラーで包まれた軽快なアルミバイク。ラインナップ豊富です。 - SPECIALIZED(スペシャライズド) “Allez Elite”(140,000円)コンポ:TIAGRA
スペシャライズドのレース用機種”Tarmac”の技術を持ち込んで設計されたモデル。Eliteの他に、SORAで組まれた“Allez Sports”(105,000円)からULTEGRAで組まれた“Allez Expert Ultegra”(230,000円)までコンポーネントのグレードが選べます。 - TREK(トレック) “1.5″(119,000円)コンポ:TIAGRA
TREKのアルミロードバイク。こちらもコンポーネントのグレードによって、シマノ2300で組まれた“1.1″(79,000円)からULTEGRAで組まれた“2.5″(229,000円)まで選べます。 - CANNONDALE(キャノンデール) “CAAD10″(199,000円)コンポ:105
他のアルミバイクと比較すると値段が高めですが、アルミに乗るならぜひお勧めしたい1台。世界最軽量アルミロードバイクを謳うCAAD10を105コンポで組んだモデルです。
5. 女性向けロードバイク
ロードバイク人気の広がりを受け、各社とも女性向けサイズをラインナップし始めています。上記に挙げたモデルももちろん女性でも乗れますが、以下は女性専用設計のロードバイクです。- SPECIALIZED(スペシャライズド) “Amira”(220,000円)コンポ:TIAGRA
スペシャライズドが女性用に設計したモデル。女性向けモデルとしては、レース向けの”Tarmac”の流れを汲む”Amira”の他に、ロングライド向けの”Roubaix”の流れを汲む“Ruby”があります。 - TREK(トレック) “Madone 3.1 WSD”(189,000円)コンポ:TIAGRA
こちらも女性専用設計モデル。レース用モデルであるMadone 3.1を女性用のジオメトリで設計しなおしています。WSDはWomen’s Specific Designの略。 - GIANT(ジャイアント) “Aimez”(168,000円)コンポ:TIAGRA
女性専用設計でもジャイアントならこの価格で。 - ANCHOR(アンカー) “RFX8W EQUIP”(265,000円)コンポ:105
このモデル、なんとカラーリングが39種類あります。そして男女共通設計モデルの”RFX8 SPORT”と4万円の価格差で、コンポーネントが105にアップグレードしています。
さいごに
最初は「これからロードバイクを始める人の為のエントリーモデル10台」というタイトルで書きだしたはずが、どんどんエスカレートして「これからロードバイクを始める人の為のエントリーモデル25台」になっていました。これでもまだまだほんの一部で、好きなモデルを挙げはじめるとキリがありません。これを読んでくださっているあなたもきっとハマってしまったらすぐにより良いモデルが欲しくなっていくと思います(笑)。多少は出費を抑えられる方法があるとすれば、それは「抜群に見た目が好みな自転車を買う」事です。個人的な感覚としては、走りを左右するのは自転車2割:乗り手8割くらいだと思います。更にその2割のうち、フレームが与える影響は大したインパクトはなく、ホイールやタイヤの影響の方が大きいです。
ですので、気に入ったフレームを買って徐々にホイールやコンポーネントを良いものに変えていく方が、個人的にはお勧めです。きっとあなたの奥さんも「また自転車のパーツ買ったの~?」と言うのと、「また新しい自転車(=フレーム)買ったの~?!」というのでは、驚き(もしくは怒り)の大きさが違うはずです。(実はこの違いが一番重要であったり…笑)
趣味を長く続けるには、家族の理解と協力が不可欠です。
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