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最終更新:2012年4月25日(水) 23時20分

米政府、意外な形でBSE感染発表

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 アメリカで6年ぶり、4例目となるBSE感染牛が確認されました。日本で輸入規制の緩和が検討されているさなか、アメリカ政府の発表は意外な形で行われました。

 「本日はアメリカで4例目となるBSE感染例を報告します」(農務省主任獣医師 ジョン・クリフォード氏)

 6年ぶり4例目となるBSE感染牛の確認。アメリカ農務省は記者会見などは開かず、動画共有サイト「ユーチューブ」を使って発表しました。アメリカメディアの報道によると、感染が確認されたのは、カリフォルニア州にある肉の加工処理施設でBSE検査のため無作為に抽出された5歳のメスの乳牛。ペットフード用に加工処理される予定だったもので、どの農場から運ばれてきたかは特定できていないといいます。ところが、農務省が発表したのは「カリフォルニア州の乳牛」という事実だけでした。さらに発表では・・・
 「(Q.アメリカの食品にどのような影響が?)この感染牛は一切流通していないので食の安全について影響がありません」(農務省主任獣医師 ジョン・クリフォード氏)

 メディアの追及を受けることなく、一方的に安全性を訴えました。牛肉の輸入規制をめぐってアメリカ政府は、日本政府に対し、規制の緩和を強く求めてきました。それを受けて野田政権は去年11月の日米首脳会談で規制緩和の意思を伝え、「月齢20か月以下」という現在の規制を「30か月以下」に緩和する方向で検討に入ったばかりです。

 「本件は30か月以上の高齢牛ということで輸入段階で特段の措置は必要ない」(藤村修 官房長官)

 アメリカはTPPをめぐる日本政府との事前協議でも牛肉の一層の市場開放を求めていて、今後、協議の行方に影響することも予想されます。アメリカ政府が今回の発表にインターネットという場を選んだ背景には、規制緩和の流れに影響を与えたくないという思惑があるのかもしれません。(25日17:42)

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