香月りお『催眠術で牝奴隷を手に入れる方法』
個人的には伊藤先生の“いい女”像が大好きなのですが、今巻でもデニース・デシーレの褐色肌美女コンビが大活躍で、真に眼福でございました。
さて本日は、香月りお先生の『催眠術で牝奴隷を手に入れる方法』(オークス)のへたレビューです。やや直球に過ぎるタイトルですなぁ(苦笑。なお、香月先生の前単行本『アリスのひめごと』(オークス)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
狂気に至る憎悪に染まった少年によるヒロインの少女へのかなりハードな催眠凌辱劇が楽しめる作品集です。
1話当りのページ数は20~32P(平均25P強)と強いボリューム感があり、陰惨な鬼畜凌辱劇をじっくりと魅せ付ける構成がヘビィな読み心地を生んでいます。
【要点を絞ることで凄味を生んだ鬼畜凌辱劇】
前単行本が多少不穏な要素はありつつも、明るく楽しい雰囲気が強かったのに対し、今単行本は少年の身勝手な憎悪がヒロインを地獄絵図へと引きずり込むハードで破滅な凌辱劇を描いています。
非常に便利な催眠術というギミックを利用し、ヒロインの尊厳を蹂躙する催眠凌辱劇は、徐々にエスカレートしていく凌辱内容による読者へのたたみ掛け方の上手さもあり、そのドス黒い雰囲気に十分な凄味を宿しています。
サブキャラを排して主人公とヒロインの関係にほぼ絞ったコンパクトな作劇によって作品の狙いがより明瞭になっており、ヒロインが徐々に“壊されて”いく様に集中しやすいのも○。
非現実的な快楽がヒロインの理性と人としての尊厳を崩壊させる一方、その快楽を司っているはずの主人公もまた、狂気に飲み込まれていくという構図を綺麗に整理出来ていたのも上手いと思います。
1回目の催眠ではヒロインの精神的な抵抗(貞操観念)を少年が徐々に崩していく展開が興味深かったですが、その後は催眠術がエロシチュエーションに幅を持たせる便利アイテム状態となっているのは勿体ないところ。
レイプ串団子な作劇に強い独自性はあまり感じませんが、催眠凌辱劇の禍々しさの演出が光る良作と言えるでしょう。
【セックスアピール満載の優等生ヒロイン】
上述の通りヒロインは優等生なクラスメイト・持田亜美のみであり、その他の女性キャラはモブキャラを除いて登場しません。よって単行本表紙の女の子に食指が動くか否かは結構重要なポイントです。
催眠術によって精神を幼児退行させたり、犬であると思いこませたりといったキャラクターの変化や、メガネの着脱や髪型のマイナーチェンジなどによって視覚的にヒロインの多様性を設けようという努力は個人的には好感が持てます。
なお、狂気に取り憑かれて鬼気迫った表情を魅せる男性陣の描き方は劇画チックな濃さがあり、多少好みが分かれる可能性がありますが、作品の雰囲気には非常に合っていたと思います。
たまに体のデッサンが危うくなることもありますが、司書房時代から格段の進歩を遂げた絵柄には安定感があり、表紙絵ともほぼ完全互換。作品の方向性に合わせ、全体的に暗く重い描画になっていたのが香月先生には珍しく、新鮮味がありました。
【倒錯的で過激な性行為が連発されるエロシーン】
エロシーンとシナリオ展開との歩調をしっかり合わせている分、各話におけるエロシーンが分割されてしまうケースがあり、エロのボリューム感が意外に強くないのは難点。
ただ、それでもページ数の多さ故にエロの分量は標準並みにはあり、かつ過激な性描写や調教内容による凌辱モノとしての鋭さはしっかりと出ているため、抜き物件としては文句なしに強力です。
催眠術によって各種羞恥系プレイを強要させられたり、クラスメイトの男子や見知らぬ男性に輪姦させられたりして、人間性を徐々に剥ぎ取られていく様は非常に痛々しく、読み手の罪悪感を刺激しつつも暗い嗜虐欲も存分にかき立ててくれます。
ヒロインを人間として見なくなる少年が、その膨満した狂気を炸裂させる第7話後半のエロシーンの禍々しさは見事の一言。
オナニーや失禁の公開の強要やペット(非人間)しての扱い、M属性の付与など、倒錯的な性行為の描出に重点が置かれており、性器結合は必ずしもエロの中核ではないことは留意して下さい。
ぶっかけ描写の充実は特筆すべきであり、ヒロインの全身を汚すドロリとした白濁液の描写はエロシーンにおけるよいアクセントになっています。
催眠術でヒロイン凌辱というコンセプトにおいて、魅せる要素をきっちり絞る作劇が光る作品でした。過激で陰惨な凌辱エロが読みたい貴兄は是非チェックしてほしい良作です。
コミックXO連載・女流作家という共通項のある東雲龍先生の『LOVE & HATE』シリーズがお好きな方は結構気に入られると思いますよ。
コメント
凄味のある作品
No title
nekomeさん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
コミックXOはこの作品といい、東雲龍先生や唄飛鳥先生の作品といい、長編の凌辱モノを載せてくれるのが嬉しいですよねぇ。
あと、僕は来月単行本がでる広輪凪先生の「助手ちゃん」シリーズが激ラブです。
>四肢を折り曲げて固定させ、会話も制限しての犬プレイ
これには僕も痺れました。人間性の圧殺がこの長編の魅力の一つですねぇ。
nekomeさんのレビューもよければ読ませて下さいな!
ではでは~
コミックXOはこの作品といい、東雲龍先生や唄飛鳥先生の作品といい、長編の凌辱モノを載せてくれるのが嬉しいですよねぇ。
あと、僕は来月単行本がでる広輪凪先生の「助手ちゃん」シリーズが激ラブです。
>四肢を折り曲げて固定させ、会話も制限しての犬プレイ
これには僕も痺れました。人間性の圧殺がこの長編の魅力の一つですねぇ。
nekomeさんのレビューもよければ読ませて下さいな!
ではでは~
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待ち望んでいた単行本です。ここ最近は、この作品のためにXOを買っていたようなものですから(^^)
MC(マインドコントロール)好きのツボを刺激する、凄味のある作品でした。四肢を折り曲げて固定させ、会話も制限しての犬プレイなど、徹底した催眠陵辱行為の数々は強烈な印象を残しています。
鬼畜度の高さゆえに人を選びますが、MC属性のある方には強く推したいところですね。
暗くて重い絵柄も本作品の特長ですよね。わたしなど、連載一回目に作者名を確認した後、慌てて少し前のXOを引っ張り出し、前作との差異に驚いたものです(笑)