海洋の国際標準名を決定する国際水路機関(IHO)総会が、23日からモナコで開催されている。今回の総会は、世界の地名の基準となる国際標準海図集『大洋と海の境界(S?23)』を第4版に改訂するに当たり、「日本海」と「東海」を併記するかどうかが主な議題だ。現在「日本海(Sea of Japan)」と単独表記されているS?23海図集は1929年に初版が発行され、53年に第3版へと改訂された。第4版への改訂をめぐっては、80年代半ばに草案ができたが、これを承認するIHO総会が定足数に達しないため行われず、後回しにされてきた。今月23、24日の両日に行われたIHO総会でも、韓国と日本はそれぞれ「東海」「日本海」の名称の正当性を提示し、加盟各国を説得したが、合意点を見いだせなかった。IHOは25日の会議でこの名称問題を再び話し合う。
■韓国「東海の併記は世界的傾向」
韓国は、韓半島(朝鮮半島)と日本の間にある水域を2000年以上も東海と呼んできており、東海と併記された古地図など史料も多く、東海併記がふさわしいという立場だ。IHOによる「日本海」単独表記の決定は、韓国が日本による植民地支配を受けているときに下されたことから、誤った表記をこれ以上容認できないとしている。
また、隣接国間で単一の地名に合意できない場合、複数の名称を同時に使用することが妥当だという論理を掲げている。IHO技術規定と国連地名標準化会議の決議も、複数名称の使用を許容しており、実際に「英国海峡(English Channel/La Manche)」と「ドーバー海峡(Dover Strait/Pas de Calais)」が、この基準に基づいて併記されている。
■日本「現状維持が適切」
日本は、東海という名称は韓国だけで使用されているにすぎず、国際的に通用する名前ではないという主張を繰り広げている。日本海という名称は、IHOが1929年に初めて公式に表記して以来確立された国際標準で、国連や米国もこれを正式に認めており、東海を併記する必要はないという。日本は、S?23海図集が第3版に改訂されてからおよそ60年が過ぎているだけに、今回の第4版への改訂でも日本海と単独表記すべきだと主張している。
IHOは、加盟国間で意見の差が埋まらない場合、出席した加盟国の過半数の賛成をもって名称を決定できる。