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重なる面影
その後、トンネルを抜けた所にある霧を纏う、詐欺師の塒という森を抜け、第二次試験会場に着いた。
ゴン達はまだ来ていないが、なぜかレオリオだけ気を失ったままヒソカに担がれてきた。

「あ、イオ」
「キルアか…」
「何その反応」

私は見なかった振りで足早に去ろうとする。
が、キルアに止められた。

「ねぇ、ゴン知らない?」
「知らないし。話し掛けないでくんない?」
「あれ?もしかして猫かぶるの止めた?」

キルアが勝ち誇ったような笑顔を見せる。
少々イラッとしたが、大人なので、お・と・な・な・の・で、怒らない。

「別に。そんなんじゃないし」
「うわぁ、怒ってる怒ってる」
「怒ってないっつの」

こいつの前では猫かぶっても意味ないようだし、いいか。
無邪気に笑いながら、私を指差し、怒ってると連呼するキルアを驚かせてやろうと、キルアの頭に手を置き、耳元で言った。

「君、殺し屋でしょ」
「――」

目を丸くするキルアの反応が面白くって口を歪めて笑う。
前、誰かに性格の悪そうな笑い方だね的な事を言われた気がするが、思い出そうとした時に、キルアが真剣な表情で言った。

「なんでそれを…」
「歩き方よ。音たててないじゃん。それって殺し屋が良くやってたし」

昔から私の父は殺し屋の友人が多く、よく遊びに来ていたのでその時音を立てないで歩くんだな、と気付いた。
ていうか、なんで殺し屋と友人関係にあったのよ。
今思ったけど、私の父は謎ね。

「じゃ、私行くね。クラピカ達来たし」

キアルに背を向けて、歩き出す。
年齢を聞かれた時に感じた視線を感じる。
只の子じゃないってのは当たったわね。

―――――
――――
―――

第二次試験は料理。
余裕かと思ったがメンチという試験官が厳しく、一度は全員不合格となったが、
ハンター試験会長のネテロさんが空から舞い降りて来て、再試験になった。
最初は寿司という料理だったが、ゆで卵に変更され、クモワシの卵で作り皆で食べたのだが、それがとっても美味しくて美食ハンターになろうかとさえ思った始末。

そして今は、第二次試験合格者のみが飛行船に乗り、第三次試験会場に向かう。
今は夜。
試験会場には朝の八時に着くと言う。
それまで各自自由にしていて良いらしい。

寝ようと思ったが、散策してる間に迷ってしまっていた。
あぁ、なんて間抜けな。

「あ、綺麗」

不意に窓の外を見ると無数の星が煌めいている。
その景色があの頃、あの日に見た桜吹雪と重なり私は無意識に窓の近くの椅子に座っていた。

「あ、イオ」
「うげ、またあんたぁ?」

後ろにいたのはキルア。
確かゴンと飛行船の探検に行ってなかったっけ?

「ゴンは?」
「ネテロっつうおじさんと遊んでる」
「そっ」

バイバーイ、と言って犬を払うように屁を振る。
それが気に食わなかったのか逆に近づいて来た。

「来るなっつの」
「イオはここで何してんの?」
「外見てるように見えないのならその目、要らないんじゃない?」
「普通に外見てるっていえねぇのかよ」

そうだ。キルアに帰り道を聞けばいいじゃない。
私って天才かしら。

「キル…――」
「ん?なんだよ」
「なんで上脱いでんのよ」
「ん?暑いから」
「ここが飛行船じゃなかったら私、即効で警察呼んでたわよ。良かったわね、飛行船で」

なんだよそれ、というキルア。
その表情が本当に弟に似ていて…
横まで来たキルアの頭をガシガシと撫でる。
昔、弟によくしたように。

「うあ!なんだよ!」
「何でもないよ」

その後私はキルアに案内されて部屋に帰る事が出来た。



少し仲良くなってきたのかな?
ていうかこれクラピカを中心に書いてるのに
キルアの方が出番多いしwww


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