猫かぶりの2人
サトツと言うその男について行くことが第一試験らしい。
最初は歩いていたが、だんだん走り出した。
割と簡単だと思ったが、ここはトンネル。
いつ終わるかも判らない。それは心理的負荷になる。
精神力も試されるという事らしいわね。
―――――
――――
―――
あれから2時間。30キロは走ったかしら。
もう脱落する者が出てきた。
「こら待てガキ!テメェハンター試験なめんじゃねーぞ!」
なんていうレオリオの声に私は振り向く。
レオリオはスケボーに乗った男の子に文句を言っていた。
「そのスケボー反則だろ!」
「なんで?」
「これは持久力のテストなんだぞ!」
「違うよ」
ゴンがそう言う。私はゴンの後に続けて言った。
「これ、持久力のテストじゃないわよ。サトツさんはついて来いって言っただけだし」
「テメェらどっちの味方だ!!」
味方になった覚えは無いんだけどね。
すると、スケボーの男の子がゴンに近づいた。
「君いくつ?」
「12歳!」
「…ふぅん。あんたは?」
私の方を見て言った男の子はスケボーから降りながら言った。
年上をあんた呼ばわりですか…。まぁ、良いんだけどね。
「教えない」
教えなきゃ良いんだから。
「なんで?」
「…」
「ねぇ、なんで?」
しつこく聞いてくる男の子に折れて、真実を言う。
あまり言いたくないのだけど、このままうっとおしく聞かれ続けるよりは良いだろう。
一拍おいて、私は言った。
「知らないの」
男の子はじっとこちらを見ていた。
まるで腹の内を探るように。
この子。きっと只の子供なんかじゃないわね。
「事実よ。まぁ16歳とでも言っておくわ」
「へぇ」
反応薄!
自分で聞いといてなにその反応!
「俺キルア」
「俺はゴン!」
「あんたは?」
だから、あんたじゃなくて…っ。
なんて言いそうになり、気持ちを落ちつけて名乗る。
「イオ」
「ふぅん」
「…さっきから反応薄くない?興味無いなら聞かないでよ」
「だってイオがいつまでも猫かぶってるから」
「それは君だって同じでしょ?」
2人の間に火花が散る。
やっぱり、只の子供じゃない。絶対に。
「ほら、2人共。仲良くしないか」
クラピカに止められ、渋々黙る。
「じゃ、バイバイ」
私が手を振って先に行こうとすると、ゴンが「え?」と言った。
「先行っちゃうの?」
「うん。私は貴方達の仲間じゃないし」
「そんなの関係ないよ!」
ゴンが後ろで叫ぶが、止まらず走る。
私に仲間なんていらないのよ。
作る必要性もない。
私は私の夢の為に、どんな事をしてもハンターになるんだから。
わぁ、イオとキルアが仲悪くなっていく…!
仲良くさせたいのに…orz
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