初夏の白
とあるガラス作家さんの作品、縁あって我が家にお迎えしたのは
おととしのことだったでしょうか。
昨年お店の方に、またその方の作品が入荷したらぜひ教えてくださいと
お話しておいたところ、先日ご丁寧に入荷のお知らせのお葉書を送って下さいました。
目当てのものは残念ながら入荷は無かったものの、
さまざまな素敵な作品に触れることが出来、たっぷりと心満たされて参りました。
我が家にお迎えしたいなぁと思うもの、いくつかあったのですが、
収納、用途・・・じっくりじっくり考えると最後の一歩が踏み切れず。
好きなものは長く長く大切に使ってゆきたい。
置く場所だったり、我が家での姿だったり、そういうものが想像出来ることも
お買いものには大切ですね。
タイミング・・・そんなひと押し、これもまた大切。
さてガラスにはご縁が無かったのですが、
お店の隅に、ざっくりと納められていた反物にふと目がゆきました。
くるくると丸められた反物、いろいろ。
渋い色合いのもの、アンティーク風のもの・・・
その中で思わず手にしたのは、目の粗いこっくりとした白の麻反物。
広げてみると、思ったより長さがありました。
実家で母がインテリアに取り入れているように、流木を通して壁に下げても素敵そう・・・
でも残念、我が家は壁が白でした^^;
木目の上でランナーにしたらどうだろう?
一枚の布から、頭の中にぐんぐんイメージが膨らんでゆきます。
嬉しいことにプライスは赤札!(笑)
これもまたタイミング・・・なのでしょうね。
帰宅して、早速棚の上に広げてみました。
長さのあるものなので、両サイドにゆったりと垂らす感じで。
見る角度によって、さざ波のような柄にも見えて、
部屋の中に涼やかな空気を生み出してくれるよう。
白の重なりもキレイ。
ガラスの器越しに落とす陽の光も、白のさざ波を際立ててくれるようで
眺めるのにも飽きません。
一枚の反物から生まれた涼やかな空間、
この夏、私たちを和ませてれそうです。
ルーシー・リー展
久しぶりに国立新美術館へ出かけました。
4月より行われている「ルーシー・リー展」
主人の仕事のスケジュールとにらめっこしつつ、
学校行事、その他色々新年度らしい予定も入ったり、なかなか足を運べず・・・。
6月に入り、ようやくうまく時間の出来たある日、
清々しい風と光に誘われて、出かけることにしました。
ルーシー・リー、彼女の作品に魅かれるのはもちろんのこと、
その人生、暮らしにも大いに興味あり。
4月発売のCASA BRUTUS(五月号)器の特集では、
ルーシーの器と長尾智子さんのお料理のコラボ、
その美しい佇まいに、この春何度もページをめくりました。
さて、間近で見たルーシーの作品、
当たり前とはいえ、手に取ることが出来ないのがもどかしく思えるほど!
漂う雰囲気、美しさにはため息の連続でした。
作品の色、形に表れる繊細さ、優しさ、強さ・・・
それはまるで彼女の人柄を辿るようにも思えます。
一人で訪れたこともあり、じっくりその空気に浸りたくて音声ガイダンスもお借りました。
樋口可南子さんの落ち着いた語り・・・
目の前に広がるルーシーの世界を、より広く豊かなものにしてくれます。
初夏の陽気だったある日、とても素敵なひとときを過ごしました。
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