通勤途中に刃物で刺された看護師が、気が付かずに出勤するという事件が東京・板橋区で起きた。同区内の病院から23日午前7時55分頃、「職員が脇腹を刺されている」と110番があった。
警視庁志村署によると、職員の看護師女性(42)の脇腹に小型包丁が刺さっていたという。病院は内科が主で外科がないため、別の救急病院に搬送。約1週間の加療で職場復帰できる程度のけがで、命には別条ないという。麻酔手術をして1日で退院した。
看護師の女性は板橋区内に住む主婦。東武東上線上板橋駅前にある病院へ自転車で通勤していた。職場から約500メートル離れた板橋区若木の路上で「脇腹にチクッという痛みを感じた」という。しかし、そのまま通勤し、院内で別の職員がジャケットの上から刃物が刺さっているのを見つけたという。刃物が刺さったジャケットには血が固まって付着した状態だった。
刺されたとみられる現場は近所の小学校の裏。上り坂で、女性は自転車を押して歩いていたという。当時は小雨が降っていて、人通りは多くなかった。
同署では何者かに刺された可能性があるとみて、目撃者捜しと犯行現場の特定を進めている。事件を受け地域の複数の小中学校は集団下校を開始。小学校の女性職員は「学校の近くで物騒な事件が起きて心配。早く捕まってほしい」と話した。