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3月23日から25日の間、中国人民対外友好協会のお招きを得て、中国、上海、北京を訪問した。3日間とも晴れており、春近く、柳色青しという風情であった。
かねてより構想している、アジア・スーパー・グリッド構想を説明できるいい機会にしたいとの思いで訪中した。
日本のエネルギー戦略を考えた場合、安全保障上中東への過度の依存を脱却するために、原発2000基分以上あるモンゴルの自然エネルギーを利用するのは重要である。電力の80パーセント以上を石炭に依存している中国にとっても、環境問題への配慮からモンゴルの自然エネルギーは重要なはずである。日本にとっても、中国にとってもモンゴル、ゴビ砂漠の自然エネルギー開発は意義あるものになる。
中国友好協会の李小林会長(李専年元国家主席の御嬢さん)も言っておられたが、何といっても、ハイライトは次期国家主席である習近平氏とお会いできたことである。
2012年秋、中国の最高指導者である共産党総書記が交代する。胡錦とう氏は、任期満了に伴って退任し、党内で序列6位の習近平党政治局常務委員が就任する予定である。
5年に1度開かれる共産党大会において、全国からきた2300人の代表による投票で選出される。国の指導者よりも党の指導者が重要視される中国では、事実上、この秋から習近平時代がスタートする。
そして、来年には正式な「国家主席」となる。
59歳で中国の最高指導者となる、習近平氏は、2017年の党大会でも再選される見込みである。つまり、2022年まで、10年間、成長著しい中国のリーダーとなるのである。
2010年に、GDPで日本を抜いた中国である。2022年における存在感はもっと大きくなっているに違いない。
外交上のやり取りであるので、会談内容、詳細は言えないが、習氏が長期的な視点でものを考えている事が、十分すぎるほどわかった。
「中国共産党結党100周年の2021年までには、・・・のような国にしたい。
中華人民共和国建国100周年の2049年には・・・のような暮らしをおくる国民の国にしたい」
アジアスーパーグリッドについても、詳細は言えないが、アジア共同体をめざして環境問題、エネルギー問題に取り組む事が重要である。その解決策として日、中、韓国を送電線で結び、自然エネルギーをアジア全体で融通しあうことの必要だとの話があった。
1年で、総理が交代する日本とは違う、長期的な視野で物事が見られる体制から生まれた政治家としての発言である。なんといっても、2021年は、まだ習近平国家主席なのである。
ところで、私は最初の握手の時に、つたない中国語で挨拶をした。最後の、挨拶で握手した時、習氏が
何か話しかけてきた。私がとまどっていると、通訳に「中国語勉強されているのですね。お上手ですね」と訳されてしまい、できないことがわかってしまった。
写真はその直後。二人とも苦笑いをしているように見える(笑)
ヨーロッパのEUは、1952年7月23日に欧州石炭鉄鋼共同体6カ国からスタートした。その後、1965年、欧州原子力共同体、欧州石炭鉄鋼共同体、欧州経済共同体の三本の柱となった。エネルギーが最初のステップだったのだ。
それが、1992年のマーストリヒト条約をへて2007年には欧州連合27カ国となった。
東アジア共同体も今は夢物語だが、自然エネルギーを送電線で結ぶというアジア・スーパー・グリッド構想を最初の1歩として、いつか実現したいものである。
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1203/14/news021_2.html
アジアスーパーグリッドの解説はいくつかありますが、その一つです。
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