がれき灰、業者が拒否 富士宮市の試験焼却「凍結」(2012/4/24 14:27)
東日本大震災の被災がれき受け入れについて、富士宮市の須藤秀忠市長は23日夜、試験焼却や本焼却を行った場合、委託先の最終処分業者ががれきの焼却灰だけでなく、その後の一般廃棄物の焼却灰も受け入れを拒否する意向を示していることを明らかにした。同市は6月下旬から7月ごろ試験焼却を開始する計画だったが、市内の一般廃棄物処分に波及し、事実上の凍結状態になった。
須藤市長は「他の自治体でも同じ問題が起きかねない」として、細野豪志環境相(衆院静岡5区)に、適切な指導と対応を求める要望書を送ったという。同日から始まった住民説明会で、一連の経緯を報告した。
同市の清掃センターには焼却炉が2基あり、市はこのうち1基をがれき専用炉として使用する予定。一方、焼却灰の処分を委託している県外2カ所の業者はともに、試験焼却や本焼却に踏み切った場合、その後に清掃センターから出る一般廃棄物の焼却灰まで受け入れない方針を打ち出しているという。市内の最終処分場は余剰量が少なく、同市は焼却灰の年間排出量約5500トンのうち7割を外部委託している。
須藤市長は「被災地のことを考えると、がれきの広域処分に協力したいが、市民生活に大きな支障を出すわけにはいかない」と苦しい胸の内を明かした。
同市は引き続き、委託業者に理解と協力を求めながら、岩手県山田町と大槌町のがれき受け入れに向けた準備を進めるという。
被災がれきの受け入れについて説明する富士宮市や国、県の関係者=23日夜、同市内
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