日本を飛び出して働く若者たちの1番人気はシンガポール

[2012年04月24日]


日本企業のアジア進出が目立つ昨今、ハローワークでも海外就職の求人を見かけるようになった。停滞感が漂う日本を飛び出し、成長著しいアジアの国で働くほうがやりがいを感じられるのと同時に、経済的にも豊かになれる可能性があるからだ。

だが、アジアといっても広い。どの国に行けばいいのだろう。『20代、お金と仕事について今こそ真剣に考えないとヤバイですよ!』(クロスメディア・パブリッシング)の著者で公認会計士の野瀬大樹さんは、「日本人が少なく、売り手市場」と、インドで働くことを勧める。

「インド人って、雇うときにあらかじめ決めた仕事しかやらないんです。『掃除をお願いします』って雇うと、『郵便局へ行ってくれ』と頼んでも、『それは僕の仕事ではない』って断られる。その点、日本人は、雇われたらなんでもやるし、融通が利く。現地の日系企業はそんな日本人が必要なんです。しかも英語力はそれほど問われない」

だが、いきなりインドというのも、さすがにハードルが高く感じる。一方で最も求人が多い国は中国だが、あまり人気はないという。大手転職支援企業のKさんが語る。

「やっぱり日本から中国に出ている企業の数は1万5000社以上もあるので、中国は求人数がすごいですね。でも中国語ができないとダメだし、最近は日本企業が中国沿岸地域から内陸部へ移動しつつあって、これが、めちゃくちゃ気候の厳しい地域です。そういう事情もあって、あまり人気がないんですよ」

では、どの国が人気なのか。

「断トツ人気はシンガポールですね。まず英語が通じることもありますし、職種も幅広いし、所得の水準がアジアの中で高いこともあります。また、治安もいい。次にマレーシア。職種も広がりがあるし、首都クアラルンプールは住みやすい。それから経済成長が著しいインドネシアです。鉱業資源があって、人口が2億人以上ですから。インドネシア国内のマーケットを狙っている日本のサービス系企業やIT系企業が活発に進出している」(Kさん)

世界銀行調べによると、シンガポールの国民1人当りの平均所得は4万920ドル。日本が4万2150ドルなので、生活水準はほぼ一緒。住環境も良く、人気があるのも頷ける。対照的に、インドネシアはわずか2580ドル。だが、日本企業から「円」で給料を貰えば、低賃金でも余裕のある生活を送ることができる。

日本で就職難にあえぐ若者たちも、こうしたアジア各国での就職を視野に入れることで、より選択肢が広がるはずだ。

実際にシンガポール、マレーシア、インドネシアで働く日本人の声を集めました。週刊プレイボーイ19・20合併号『今すぐ「アジア現地採用」で、スーパーアジア人を目指せ!』

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