敦賀原発の地下に活断層の可能性4月25日 4時32分
福井県にある敦賀原子力発電所の敷地を、活断層の専門家が調査したところ、地下の亀裂が活断層の可能性があり、近くにある別の活断層と連動する可能性が指摘されました。
原子力安全・保安院は、想定される最大の地震の揺れがこれまでより大きくなるおそれがあるとして、日本原子力発電に再調査を指示しました。
原発周辺の活断層について、原子力安全・保安院は、去年3月の震災以降、活動が活発になったことから、原発の耐震性への影響を調査しています。
このうち、福井県敦賀市にある日本原子力発電の敦賀原発では、24日、活断層の専門家や保安院の担当者ら10人が、敷地内の地層が露出している地点を視察し、地中にある3本の亀裂の状態を調査しました。
その結果、専門家から「2号機から西に150メートルほど離れた地中を走る亀裂は、活断層の可能性があり、敷地内を走る浦底断層という活断層と連動する可能性がある」と指摘されました。
指摘を受けて、保安院は、連動した場合、想定される最大の地震の揺れがこれまでより大きくなるおそれがあるとして、日本原電に再調査を行うよう指示しました。
調査に当たった京都大学の遠田晋次准教授は、「2号機から150メートル離れた地中の亀裂は、まっすぐ伸びている特徴などから、活断層の可能性がある。早急な調査が必要だ」と指摘しています。
また、2号機の真下には別の亀裂が走っていて、保安院は、この亀裂が活断層である可能性についても調査を求めることにしています。
国の耐震設計の指針では、活断層の真上に原発の重要な設備を設置することを想定しておらず、調査の結果、2号機の真下の亀裂が活断層であった場合、敦賀原発の運転に影響が出る可能性もあります。
日本原電は調査の方法も含めて検討するとしています。
保安院の耐震安全審査室の小林勝室長は、「今後、精密に調査する必要があり、結果によっては耐震性の評価に影響を及ぼす可能性もある」と話しています。
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