トヨタ・リコール進捗記者会見報告(質疑応答の終盤)---ブレーキ機構のフェイルセーフは…《修正あり》
(日本テレビ)豊田社長に伺いたいと思います。日本でのですね,予期せぬ加速っていうのは,先ほど1件1件しらみつぶしにつぶしたということで,それが米国でできていないのはなぜなのでしょうか。いわゆる販売店の問題なのか,それとも今まで放っておいたことによる規模の拡大なのか。
で,今実際にですね,どれくらい調べられて,それがどれくらいそれが調べられていないのか。まあ公聴会までですね,時間がなくて,非常に厳しい突き上げも予測される中で,日本では今1件1件しらみつぶしにということで納得できたわけですが,米国でそれができていなければ,結局その電子制御っていう見えない部品ですので,一体どういうふうな説明をするおつもりなのか。まあいわゆる外部のですね,電子制御の結果っていうのも,あ,外部に委託している電子制御の結果,それを公聴会までに今,公表するつもり,そういった形で対応するつもりなのでしょうか。どういったことを考えてらっしゃるか教えてください。
日本と米国のですね,その違いでございますが,まずこの規模感,規模感が違うのと,その情報収集の仕組みが,あの,私ども米国では50年の歴史はあるものの,日本の形で情報収集,そして分析の方法において差があるということだと思います。
で,あの,ちょっと細かいいろんなことに関しましてはですね,ちょっと今あの,頭にございませんので,また必要であれば,あの後で申し上げたいと思います。
(ニッポン放送)すみません,2つ質問させてください。その代わり短いお答えで済む質問をさせていただきます。
豊田社長に伺いますが,急激な生産拡大というお話がありましたが,経営のスピードとして,例えば焦りがあったとか,急ぎすぎたとか,あるいは得体の知れないスピードに流されていたか,まあいろんな表現があると思うのですけれども,経営のスピードについて豊田社長の現在の率直な心情をお聞かせいただけますでしょうか。
それからもう一つは,佐々木副社長に伺います。先ほどあの,フェイルセーフという言葉がありましたが,ブレーキについてのフェイルセーフというのは存在するのでしょうか。あるのでしたら,もし簡単なご説明をいただけるのであれば,トヨタの考え方をお聞かせください。
この経営のスピードについての率直な意見ということでございますが,私はものづくり会社として,やはりものづくりをしていく上での優先順位というのがあると思います。安全,品質,量,コスト,やはりこういう順番でしっかりとですね,拡大をすべきというふうに思っております。
そういう意味におきましては,そのすべてにおいてベースになりましたのが,この人材育成でございます。ですから,この人材育成のスピードとこの量の拡大と,ちょっと量の拡大が上回っていたのではないのかなというふうに,私は素直に思っています。
フェイルセーフ,ブレーキ,もちろんございます。プリウスでいいますと,ブレーキは2系統であります。1つは従来の油圧のブレーキ,これ真空倍力装置を使ったピストン油圧で制御するものでございますが(実際には3代目プリウスに真空倍力装置は搭載されていないことが後で確認された,Tech-On!の関連ブログ),実はこれは普段使っておりません。
普段はですね,そこの油圧を検知して,その電磁ポンプで油圧を発生させて,それをソレノイドバルブでコントロールして,お客様が期待するいいフィーリングの油圧カーブを描くという,いわゆる電磁ポンプ油圧を使ったものであります。通常はそれを使っておりますが,万が一,電磁弁が壊れますと,通常のピストン油圧の方が利くように切り替わります。それで2系統でカバーしていると。
それから,プリウスのような電磁ポンプを使っていない普通の油圧だけのブレーキは,配管が2系統になっている。で,クロスをさせて,フロントの右とリアの左とか,フロントの左とリアの右っていうような,どっちかの系統が必ず生き延びる。片方でフェイルしても片方で生き延びる。
あの,全部でやりますと,保安基準の,基準のはるか性能が上なのですけれども,たとえフェイルしてブレーキが片側制御になっても,保安基準以内に入る。それだけの制動力が確保できるような性能を担保しているということが,ブレーキの基本的なフェイルセーフの考え方です。(次ページへ)