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敦賀原発下に35キロの活断層 産総研調査、従来は過小評価

(2012年3月6日午前9時35分)

拡大 浦底断層と周辺の活断層、敦賀原発 浦底断層と周辺の活断層、敦賀原発


 日本原電敦賀原発1、2号機の敷地を通る活断層「浦底(うらぞこ)―柳ケ瀬山断層帯」(浦底断層)は少なくとも全長35キロあり、マグニチュード(M)7・4程度と従来の想定の2倍以上に当たるエネルギーの地震を起こす可能性が高いことが5日、産業技術総合研究所の杉山雄一主幹研究員らの調査で分かった。

 浦底断層の南部にある複数の断層が広域で連動する可能性もあり、杉山氏は「最悪の場合も考えないといけない」として、大規模な連動地震についても考慮すべきだとしている。

 政府の地震調査委員会や日本原電は連動する他の断層も含め、全長25キロでM7・2程度と評価しており、過小評価だった可能性が高い。原発の立地場所として問題があることを示すもので、安全性の再検討は必至だ。日本原電は「現段階では、コメントは何もない」としている。

 杉山氏は、原発の耐震性を評価する経済産業省原子力安全・保安院の専門家会議の委員。

 杉山氏によると、日本原電の音波探査結果などから、敦賀原発の東側の敦賀湾で浦底断層から2〜3キロの位置に複数の活断層があり、浦底断層と同時に動く可能性が高いと分かった。全長は35キロとなる。こうした海底断層は、日本原電や国の安全審査では考慮してこなかったという。

 浦底断層は上下と横にずれており、全体では1回の活動でのずれは3メートル以上と判明。ずれの大きさから断層の長さを求める計算式に当てはめると約39キロとなり、音波探査の結果から判断した35キロとほぼ同程度の長さとなった。これまで日本原電は約1・7メートルのずれを想定していた。

 杉山氏は、南側にある滋賀県の断層と連動する可能性も指摘。まだデータが十分ではない部分もあるが、ずれは5メートル近い可能性があるという。

 敦賀市原子力安全対策課の本多恒夫課長は「経済産業省原子力安全・保安院の専門家会議で審査し、(対策が必要な)新たな知見となれば、耐震安全性評価にしっかり反映させてもらいたい」と述べ、国の対応を注視していく考えを示した。

 浦底断層の西側の原子炉建屋直下にも多数の断層があり、同時に動く危険性が指摘され、日本原電が調査中。保安院は「同時に動くと確認されれば、立地不適格となる」としている。


 

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