日本原子力発電の敦賀原発2号機(福井県敦賀市、定期検査で停止中)の直下を走る断層が活断層である可能性があることが24日、経済産業省原子力安全・保安院の現地調査でわかった。日本原電側は断層は動かないと主張してきた。国のルールは地震で動く断層の真上に原子炉を建ててはならないと定めている。敦賀原発2号機は廃炉となる可能性が出てきた。
日本原電によると、敦賀原発の敷地内には判明分だけで約160の断層(破砕帯)が見つかっている。この日は、保安院の意見聴取会のメンバーである産業技術総合研究所と京大、福井大の専門家4人が調査を実施。1、2号機と3、4号機の建設予定地、日本原子力研究開発機構の新型転換炉「ふげん」=廃炉作業中=付近の6地点の斜面などを調べた。
その結果、2号機の原子炉の直下にほぼ南北に走る断層について「地震が起きた場合、ずれる可能性が否定できない」などの意見が相次いだ。敦賀原発の敷地内では活断層の「浦底断層」が確認されており、4人は、浦底断層が地震を引き起こした場合、原子炉直下の断層も同時に動く可能性が高いとの見方で一致した。保安院の小林勝・耐震安全審査室長は、過去に断層が動いた可能性を指摘し、「比較的新しい時代に浦底断層に引きずられたのではないか」と話した。