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SPEEDI 県、データ消去謝罪 伝達・共有態勢に不備
 | 記者会見で謝罪する荒竹部長(中央)ら=20日午後、福島県庁 |
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福島第1原発事故直後に原子力安全技術センターからメール送信された緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)のデータを福島県が消去した問題で、県は20日、データの伝達、共有態勢に不備があり、事実経過の確認も怠ったとする調査結果を公表し、謝罪した。関係職員の処分を検討している。 調査結果によると、県災害対策本部は昨年3月12日深夜〜16日朝、計86通のメールデータを受信した。このうち21通がUSBメモリーや印刷物で保管されたが、残り65通は消去された。 消去の原因について(1)データの取り扱いマニュアルがなかった(2)事故直後で指揮命令系統が混乱した(3)他のメールの受信容量を確保しようとした−ことを挙げている。 県は昨年5月、「SPEEDIのデータは3月13日に経済産業省原子力安全・保安院からファクスで受け取ったのが最初で、メールは同月15日に受信した」と県議会で答弁した。直後に国が「3月12日深夜に県災害対策本部に送信した」と国会で答弁し、ことし3月には県のデータ消去が明らかになった。 昨年5月時点で県と国の見解が異なっていたにもかかわらず、県はことし3月まで詳細な調査に着手しなかった。 荒竹宏之県生活環境部長は記者会見し、「県民の不信と疑念を増幅した」と陳謝。データの消去や非公表が住民避難の遅れにつながったかどうかについては「国会や政府の事故調査委員会の検証結果が出るまで断言できない」と述べた。
2012年04月21日土曜日
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