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8項目提案も双方の溝埋まらず
4月24日 20時4分

関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡って、大阪市の橋下市長らが藤村官房長官と会談し、原発の安全性に関する8項目の提案を申し入れ、運転再開に向けた手続きを見直すよう求めたのに対し、藤村長官は提案は将来的な課題だとして、手続きを進めていく考えを示し、双方の溝は埋まりませんでした。

大阪市の橋下市長と大阪府の松井知事は、24日午前、総理大臣官邸を訪れ、藤村官房長官と会談しました。
この中で、橋下市長らは、原発から100キロ程度の圏内にある都道府県と、電力会社が安全協定を結ぶ仕組みを構築することや、安全基準を根本から作り直し、新たな安全基準に基づいた完全なストレステストを実施することなど原発の安全性に関する8項目の提案を申し入れ、運転再開に向けた手続きを見直すよう求めました。
これについて、藤村長官は「8項目の提案は、将来的には考えるべきことだ。今回の手続きについては進めていきたい」と述べ、立地自治体の理解を得るための手続きを進めていく考えを示しました。
これに対し、橋下市長は「科学者や原子力安全委員会のコメントがないなかで、安全性の問題を政治が判断するのはいかがなものか。政権が安全宣言したのは絶対におかしく、福島の事故前の平時の再稼働の手続きで進めるのは納得いかない」と述べ、双方の溝は埋まりませんでした。
会談のあと、橋下市長は記者団に対し「政権が政治家の作った手続きをそのまま進めているだけで、安全かどうか誰も判断していない。これは国家運営の重大な危機だ。藤村官房長官は『今の手続きは変えられない』と言っていたが、それを変えるのが政治主導ではないか」と述べ、野田政権の対応を批判しました。
一方、藤村官房長官は記者会見で、「橋下市長のやや短絡的かもしれない質問に対しては『何も政治家が安全を判断したわけではなく、専門家の判断が国民から見て、理解できるのかどうかについて、関係閣僚が総合的に判断した』と答えた」と述べ、批判は当たらないという考えを示しました。
そのうえで、藤村長官は「橋下市長も関西の電力需給の現状については理解しているようにみえた。お互い対立しているわけではなく、今後もさまざまな説明ややり取りをするなかで認識は共通になってくると期待している」と述べ、今後協議を重ね、理解を求めていく考えを示しました。

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