デシベル(dB)のおはなし
マイクロ波、高周波を扱うにあたって、その電力量を表す単位としてデシベル(dB)が一般的に用いられています。
このデシベルという単位は、一旦覚えると、回路のレベルダイヤグラムが頭の中で暗算で出来るようになるので、しっかりマスターしましょう。
さて、デシベルですが、これは入出力比を対数で表し、マイクロ波においては多くの場合「入出力電力比」で表されます。

この電力比とデシベルは、次のようになります。
                          P1:入力電力  P2:出力電力

この計算式ですが、電力比とデシベルの関係を少し覚えるだけで、あとは、電卓がなくても暗算でできるようになります。
電力比(P2/P1) X[dB]
10/1 +10
3/1 +4.77
2/1 +3
1/1 0
1/2 -3
1/3 -4.77
1/10 -10
この表は、電力比が1、2、3、10、1/2、1/3、1/10の場合のデシベル値を計算し表したものです。
ここで、電力比での掛け算が、デシベルでは足し算で計算することが出来ますので、ほとんどの場合、この表にないものも暗算で出来るようになります。

それでは、例を示しましょう。

電力比が4倍の場合
 4倍=2倍×2倍=3dB+3dB=+6dB

電力比が5倍の場合
 5倍=10倍×1/2倍=10dB-3dB=+7dB

電力比が6倍の場合
 6倍=2倍×3倍=3dB+4.77dB=+7.77dB

電力比が8倍の場合
 2倍×2倍×2倍=3dB+3dB+3dB=+9dB

電力比が20倍の場合
 20倍=10倍×2倍=10dB+3dB=+13dB

電力比が1000倍の場合
 1000倍=10倍×10倍×10倍=10dB+10dB+10dB=+30dB

もちろん、入出力比が減少する場合は、マイナスをつけるだけで良いので、こちらも増加と同じように考えることができます。

この上の表からでは暗算で計算できないのは、7倍と9倍ぐらいなので、上表のたったこれだけ覚えるだけで多くの電力比を暗算でデシベル表現できますので、これからデシベルに慣れようと思っている方は、是非いろいろとやってみてください。

ここでは、デシベルはあくまで入出力比という相対値としての表現となっていますが、次回に絶対値でのいろんなデシベル表現についてふれてみたいと思います。

最後に、デシベル[dB]から入出力電力比を表す計算式を示しておきます。
                            
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