スマートメーター(スマメ)を中核とする新しい電力システムの導入が原子力発電所停止による電力不足危機を解消する切り札として待たれている。前々回、前回では、期待されるスマメの機能像を、電力会社とつながる通信ルートである「Aルート」と、家庭やオフィスビルとつながる「Bルート」を中心に解説した。
それを書いている一方、世の中では、東京電力の全需要家向け、つまり、最終総数2700万個に及ぶスマメの調達に関する説明会などが始まった。ところが、その調達しようとしているスマメが、私の前2回で記述した「期待される機能」を持ち合わせないであろうということが、明らかになりつつある。
すでに多くの論者から、その問題点が多数指摘されているので、私は、前2回で自分が描いてみせた理想的なスマメの機能像との乖離(かいり)を指摘していくことにする。
まず今回は、「Aルート」に関してである。
Aルートの最も基本的な機能は、月々の料金を徴収するための基本データである電気使用量の遠隔検針である。ハッキリ言う。東電が調達しようとしているスマメのAルートの機能は、「これだけ」である。
理想的なスマメの機能像との乖離といえば、例えば、私がこの連載25回「夏の電力不足回避へ、カギ握る事業者『節電アグリゲータ』の育成」で紹介したDR(デマンド・レスポンス)導入に必要な機能がある。
東電自身は、今夏の需給対策に向けて「ビジネス・シナジー・プロポーザル」として、1月からDRの実現に向けてパートナーを募集し、2週間ほど前に6件のビジネスプランが選定された。このDR導入の方向性と、今回のスマメの機能不足の整合性は、どのようにしてとっていくつもりなのであろうか、全く不明である。
なるほど、東電はスマメで30分ごとに消費電力を測定するという。それによって、これまでの固定料金制ではなく、時間軸に沿った変動料金制(ダイナミックプライシング)、つまり、需要逼迫時に料金を引き上げることで需要抑制を目指すのであろうか。ただし、30分刻みの検針で、ピークカットに対応できるつもりなのだろうか。少なくとも変動料金制の究極の方式である「リアルタイムプライシング」には対応不可能である。
東京電力、スマメ、オフィスビル、電力会社、リアルタイム、スマートメーター
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