鳥の目虫の目:「わくわく」を検証しよう=大島秀利

毎日新聞 2012年04月23日 大阪夕刊

 新学期。福島第1原発事故から1年余りたった今、先生が手に入れて読んでほしい本がある。文部科学省などが製作し、昨年3月の事故以降に回収した原子力の副読本「チャレンジ! 原子力ワールド」(中学生向け)だ。一部が報じられたが、安全対策では次の説明がある。

 <大きな津波が遠くからおそってきたとしても、発電所の機能がそこなわれないよう設計し><「想定されることよりもさらに十分な余裕を持つ」ようになされています>

 ご存じの通り福島事故では、余裕どころか、津波によって冷却機能が損なわれ、1〜3号機の原子炉で核燃料が溶け出す「炉心溶融事故」が起きた。地震の揺れでは少なくとも送電設備が壊れる影響が確認された。

 <ココがポイント>の欄では、<地震や津波に耐えられる><原子炉は放射性物質を閉じこめる五重のかべで守られている>と強調した。

 事故では、水素爆発などにより、全ての段階で「かべ」が破れ、大量の放射性物質が環境に漏れた。

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