「児玉博の「見えざる構図」」

闇にうごめく投資家たち

バックナンバー

2008年11月18日(火)

1/2ページ

印刷ページ

 7月4日付の本欄は『消え逝くグッドウィルの消えない傷』というリポートを伝えていた。

 2006(平成18)年にグッドウィル・グループが人材派遣大手「クリスタル」を買収する際に舞台となったのが「コリンシアンパートナーズ」という投資ファンド。この投資ファンドに群がった怪しげな投資家たち、そして400億円もの資金がこれらの投資家たちを通じて闇社会に流れた。

 「コリンシアンパートナーズ」の代表を務めていたのが公認会計士、中澤秀夫である。
 この中澤に対して国税当局が査察を行っていることを日本経済新聞が一報したのは10月半ば。ややフライング気味の報道に関係者は一斉に色めきたった。国税関係者によれば、中澤への税務調査には入ったばかりであり、そして当局は中澤同様に「コリンシアンパートナーズ」への出資者2人に対する税務調査も予定しているという。

 そのうちの1人は7月4日のリポートでも登場する有名格闘家である。この格闘家は「コリンシアンパートナーズ」に出資した山口組最有力団体との接点となった人物である。かつて戦後最大の疑獄事件と呼ばれた「イトマン事件」で暗躍したフィクサー「許永中」のボディーガードを務めてもいた。

 そしてもう1人は今も六本木ヒルズに住むコンサルタント業を営む人物である。

 日経新聞が中澤への査察を報じた数週間前、中澤は税務署から「コリンシアンパートナーズ」の運営などで得た100億円以上の利益に対する税の支払いを求められていた。

 手元キャッシュが不足していた中澤は資金調達を含め一時身を隠すように香港に逃れる。中澤には1人の同行者がいた。鬼頭和孝という30代半ばの投資家である。

 北海道出身の鬼頭は慶応大学卒業後、大手監査法人に就職。鬼頭が中澤と出会うのは鬼頭が大手監査法人を辞め、中澤が籍を置いている監査法人に転職した時だ。

 中澤とともに「コリンシアンパートナーズ」の代表を務めた鬼頭には別の顔がある。

 自らが運営する「TD投資事業組合」の運営者としての顔である。この投資事業組合が資金およそ20億円を投入し、傘下に収めたのが9月1日に民事再生法の適用を申請し、倒産したジャスダック上場のシステム開発会社「トランスデジタル」である。

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。


関連記事

Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)

Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
この記事を…
内容は…
コメント1 件(コメントを読む)
トラックバック
著者プロフィール

児玉 博(こだま・ひろし)

ノンフィクションライター。1959年生まれ。主な著書に『降臨―楽天・三木谷浩史の真実』『幻想曲 孫正義とソフトバンクの過去・今・未来』(共に日経BP社刊)などがある。



このコラムについて

児玉博の「見えざる構図」

ニュースの背後では何が起きているのか。事件の裏側には必ず錯綜する人脈、金脈などが存在する。このコラムでは日本を揺るがすニュースについて、気鋭のノンフィクションライターが、その「見えざる構図」を明らかにする。

⇒ 記事一覧

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事

  • いま、歩き出す未来への道 復興ニッポン