住友金属工業、住友鋼管、住友金属プラントの3社は、自動車の軽量化に大きく貢献する「3次元熱間曲げ焼き入れ(3Dimensional Hot Bending and Quench、3DQ)」の量産技術を確立した。2012年度上期中に、同技術で製造した部材を搭載した自動車が発売される予定である。
3DQ技術は、さまざまな形状の鋼管(丸管、角管、各種異形鋼管など)を、局部的に加熱して曲げ加工し、直後に水で急冷して焼き入れを行う連続プロセス。金型を用いずに、高強度の超ハイテン鋼管を用いた複雑な形状の部材を製造できる。
鋼管の冷間曲げやハイドロフォームといった従来加工法では対応できなかった、引っ張り強さ1470MPa(メガパスカル)以上の鋼管部材を、同技術によって製造することが可能になる。確立した量産加工技術では、曲げ加工にロボットを用いることで、設備のコンパクト化と低コスト化を図っている。ロボット技術に関しては安川電機と共同開発した。
自動車の車体骨格は、鋼板をプレス加工して造るのが一般的だが、断面が閉じた鋼管で車体骨格を造ると曲げやねじりに対する剛性が向上し、車体の軽量化が図れる。このことは以前から知られていたが、ハイテン鋼管は加工が難しく適用範囲が限られていた。曲げ加工できる鋼管は最高でも980MPa級にとどまり、しかも複雑な形状に加工することができなかったからだ。一方、アルミニウム合金製の閉じた断面の部材は実用化されているが、コストが高く、量産車での採用は限定的だった。
3DQ技術を用いれば、複雑形状の超ハイテン鋼管部材を効率よく製造できる。そのため、最大で約50%の軽量化も可能となる。自動車の車体の設計思想を大きく変える潜在力があるという。
(日経ものづくり 高田憲一)
[Tech-On! 2012年4月20日掲載]
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