再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度(FIT)が7月から始まるのを前に、改めて自然エネルギーへの期待が高まっている。日本の電力の未来像を議論する経済産業省の総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会でも2030年には日本の電力の25~30%を再生エネでまかなうとする意見が有力。だが、現実にそれが可能なのか。数字を駆使して、再生エネのリアリティーチェック(実力診断)をしてみよう。
再生エネにもいろいろあるが、今回は最も一般的で普通の家庭でも導入できる太陽光発電に議論を限定する。ちなみに、2010年度実績では太陽光による発電電力量は全体の0.3%、約38億キロワット時にすぎない。といっても、ピンとこない人が多いだろうから、いわゆるメガソーラー発電所と原子力発電所の実力を比較してみたい。
東京電力が川崎市と共同で同市の埋め立て地につくった浮島太陽光発電所は昨年8月に運転を開始した。同社の芝和彦再生可能エネルギーグループマネージャーによると「カラスが上から石を落として何枚か太陽光パネルが破損するアクシデントはあったが、それ以外はほぼ計画通り順調に動いている」という。
同発電所の出力は7000キロワットで、現時点で日本有数の規模のメガソーラーだ。敷地面積は11ヘクタール(東京ドームの2.3個分)で、そこから生み出される電力量は1年間で740万キロワット時の見込み。一般家庭2100軒分の需要を満たすだけの電力量だ。
こう聞くとかなり大きいと感じるかもしれないが、同じ電力量を生み出すために、出力100万キロワットの原子力発電所なら7時間24分稼働すれば事足りる。原発は一度動き出せば、安定してピーク出力を持続するが、太陽光発電は夜は休止し、昼間も天気次第で発電量が揺れ、平均して最大出力の12%程度しか発電できない。
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