震災がれきの処分場を県内三カ所につくる計画に、水産業などの風評被害を懸念する声があがっていることに、大村秀章知事は二十三日の定例会見で「風評被害は起こさせないことに全力を尽くす」と強調した。県内の市町村長には「皆さんも『東北を応援しよう』と言っておられた。そのことをふまえて、協力していただきたい」と呼びかけた。詳細は次の通り。
−がれき処理場候補地のある知多、碧南、田原各市では、受け入れに慎重論がある。どうやって理解を求めていくのか。
好き嫌いの感情論ではなくて、科学的な知見に基づいて説明しなくてはいけない。そのために調査費の予算をつけた。県独自の安全基準をつくるための契約は明日(二十四日)にも結びます。三カ所の候補地のボーリング調査や環境アセスメント(影響評価)の契約も順次、結ぶ。データをつくって県民に示して、理解してもらえるように努めたい。
−県が調査に入ること自体に、地元には不安の声がある。
調査することで何かご迷惑をおかけしますか。そんなことはないと思います。
−放射能汚染の恐れがあるがれきの受け入れで、風評被害対策をどうするのか。
(放射能検査をして)ほとんど問題のない数値のものを持ってくる。土をかぶせれば、数値はゼロになるでしょう。それでも何か言うなら、言いがかり。誹謗(ひぼう)中傷ですよ。風評被害は起きないし、起こさせない。
−福井県の大飯原発の再稼働に絡み、大阪市の橋下徹市長が率いる大阪維新の会が、民主党政権への対決姿勢を強めている。
維新の会は、維新の会なので。私は知事をやっているので、政権与党とは連携しながら政策を進めていきたい。当面の課題である震災がれきの受け入れも、民主党政権から要請があったから、全力で取り組んでいる。次の総選挙のときに私がどうするかは、状況をみながら判断します。愛知県が目指す政策を応援していただいているかを見極めたい。
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