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夏の電力不足回避へ 東北電見通し 節電前提、融通も不要
東北電力は23日、原発の運転停止が続く場合を想定した7〜8月の電力需給見通しを発表した。2010年並みの猛暑でも、企業や家庭の節電協力が得られれば、電力不足には陥らない見通しとなった。新たに火力発電設備を建設するなどして供給力を積み増した結果、節電を前提に他社からの電力融通なしでも乗り切れると予測した。 東北電は「原則として計画停電は実施しない」と説明。猛暑時の供給余力は小さい上、震災後にフル稼働が続く火力発電所のトラブルも懸念されるため、「供給力は万全の状況ではない。無理のない範囲で節電への協力をお願いしたい」としている。 公表したピーク需要と供給力の予想はグラフの通り。最大需要は10年並みの「猛暑時」と、過去5年の記録を平均した「平温時」に分けた。 さらに企業へのアンケート結果などから見込める50万キロワット程度の節電効果がある場合と、ない場合を想定した。 その結果、8月が猛暑で節電なしのケースのみ約9万キロワットの電力不足に陥る見通し。それ以外の想定では不足は回避できるとした。 需要予測では、被害が甚大だった太平洋側沿岸部を中心に約50万キロワットの利用減に加え、震災による経済活動の停滞で約20万キロワットの減少を織り込んだ。 供給力には、7月上旬に運転開始予定の秋田火力(秋田市)など3カ所に新設したガスタービン発電設備(出力計約94万キロワット)を盛り込んだ。昨夏の新潟・福島豪雨で被災した水力発電所の復旧も見込んだ。8月の供給力が7月を約2万キロワット下回るのは、水力発電所の出水量が減ることなどを踏まえたため。 昨夏に受けた東京電力などからの電力融通については「全国的に原発の再稼働が難しく、融通は見込めない」として、供給力に含めなかった。 東北電の女川原発1〜3号機(宮城県女川町、石巻市)と東通原発1号機(青森県東通村)は震災後、運転停止が続き、再稼働のめどは立っていない。両原発について同社は一貫して、地元の理解を前提に再稼働を目指す方針を示している。
2012年04月24日火曜日
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