エンジンオイルのお話


ある、開発者のヤフー掲示板によるお話です。stupid opinionさんですね。
まんまコピペなんで問題あるかもしれませんが(w そんときは消します。
またこれを信じろということではありません。
あくまで、いち開発者の意見です。


今まで知らなかったことがたくさんありました。
まぁ全部を全部、鵜呑みにしてるかというとそうではありませんが。

でもまぁ、軽自動車を主として話していないのでそこは注意。
あくまで普通乗用車のNA車ですね。
さらに普通の乗り方&メンテ状況&ノーマルの車での場合の話です。

いつもアクセル全開な人、峠ばっか走る人、競技する人、車になんらかの異常がある場合、エンジンの消耗(走行距離)によって違ってくるでしょう。

No.419 オイルのメカニズムと適正な交換時期
私は、エンジンなどの自動車用コンポを設計・開発しているエンジニアです。
オートバックスやガソリンスタンドでは、「オイル交換は3千km毎、走行距離が短くてもオイルの酸化劣化があるので、半年に一度は交換、オイルエレメントはオイル交換2回に1回交換(6千km毎)」を推奨しているようですが、現在の殆どの日本製乗用車(オイルが高温となるターボ車は除く)のメンテナンスノートには、1.5万km毎または1年毎にオイルとエレメント(フィルター)を交換することが記載されており、これが技術的に充分保証できる交換時期です。
町の整備業者にとっては、オイルがドル箱であり、毎月の売上げ目標を達成するためにカーメーカが責任を持って記載している交換時期と違って、極端に短い交換時期を勧めているのです。
ちなみに、ヨーロッパ製の乗用車のオイル交換時期は、2〜3万km毎であり、日本からの輸出車は1.5万km毎であることが、ヨーロッパのユーザには、地球環境とユーザ維持費の観点で、不評であると言われています。
自動車のエンジニア(私達)は、地球環境の悪化や化石燃料の枯渇を防止するため、燃費の低減とオイル交換時期の延長に、血の滲むような努力をしているのです。オイル交換時期の延長には、オイル自体の長寿命化、エンジン冷却システムの強化などをオイルメーカと共同で開発してきています。しかし、一般の整備業者などが、商業主義によってオイルの交換時期をやたらに短く設定すると共に、モリブデンなどの摩擦係数低減剤などの特殊な添加剤を入れて、高価なオイルを販売していることに対して、私はいつも苦々しく思っていました。
しかも、オイルが一般の人にとっては得体が知れず、特に寿命に関する知識が全くないことにつけ込んで、劣化オイルによるエンジン本体のダメッジをことさらに強調し、何らの根拠も無しに、まことしやかに短距離・短期間でのオイル交換を推奨する雑誌類が後を絶たない日本の現状は嘆かわしい限りです。
また、オイルを開発しているエンジニア自身も、オイルが金のなる木である現実の前には、真実を語ろうとしない面もあります。
No.420 適正なオイル交換時期
オイルの劣化は、高温時の酸化によるベースオイルや添加剤の劣化、軸受けや歯車噛み合い部での機械的剪断によるオイルの鎖状分子の破壊(剪断劣化)、ガソリンの混入などによる希釈(粘度低下)、水分の混入(エンジンが加熱・冷却を繰り返し外気が導入・排出することによって、水分が混入)による変質などが挙げられます。
上記のうち、酸化と剪断による劣化が主体で、そのうちでも、高温による酸化劣化が支配的です。
ただ、オイルの酸化は100℃以上の高温では問題になりますが、温度に対して指数関数的な劣化特性(10℃上昇毎に寿命が1/2と言われている)を示すことから、常温でしかも、太陽光に完全に遮断されたエンジンのクランクケース内で、オイルが実用上問題となる程に酸化劣化するとは到底考えられません(100℃で600hの寿命とすれば、130℃では75h 、40℃では1,600日の寿命)。
従って、半年に一回はオイルを交換せねばならない理由はありません。メーカ指定の1年毎交換もどちらかと言えば、オイルによる利益確保が主目的ではないかと思っています(日本では、今まで誰も突っ込んで問題にしたことがなかった)。
以上のように、オイル劣化の進み具合は、オイル温度とエンジン負荷とに左右されるので、ベンツやBMWなどドイツ車の一部では、車載コンピュータでそれらを常時監視し、オイルの劣化度合いを演算して、寿命が来たと判断されるときには、警告灯によってユーザに知らせるなど、非常に合理的にオイル交換を指示するものもあります。
日本車は全て走行距離と年月で単純に交換時期を表示していることから、真夏の高温時に山岳路を走行するなどの厳しい条件もある程度想定して1.5万km(平均時速25km/h×600h、100℃程度)が設定されているのです。従って、実際の一般走行ではオイル温度はさらに低く、劣化も少ないので、推奨値以上の走行距離でもオイルは使用可能です。
三菱石油の99年の技報には純正オイル(最も廉価のもの)で、1,5万km程度で酸化劣化防止剤などの添加剤が劣化し、その後の1,5万kmで、オイル自体が劣化するので、最低でもオイルの寿命は3万kmはある(ばらつきの最悪値)と明確に記載してあります。
オイル温度が低すぎても混入したガソリンや水分の蒸発が少なくなり、劣化を早めることになりますが、1,5万kmの交換時期を守れば充分と言えるのです。
ただ、メーカのメンテナンスノートには、厳しい使い方を常用する場合は、1.5万kmより短距離(半分程度)での交換を指示していますが、日本の環境では1,5万km以下で交換する必要は全くないと言っていいでしょう。。

友人で、10万kmオイル交換無し(但し、不足分は補充)で走行した人もいますが、10万km無交換はさすがにリスクが大きく、摺動部の摩耗、オイルシールなどのゴム製品への攻撃が若干心配されます。
No.421 適正なオイル交換時期
ヨーロッパ車では、アウトバーンでの高速走行(140〜160km/h×140h、130℃程度)を想定して、交換時期を2〜3万kmとしていることから、この地域では耐熱性を1ランク上げたベースオイル(合成油)を使用するか、エンジンの冷却性を向上し、10℃程度油温を低減させているのです。
ヨーロッパでは、特に地球環境に配慮してこのような対応をしているのでしょうが、日本のユーザの地球環境に対する意識との違いには驚かされます。
日本も、もっとオイルを大切に使おうという意識がなければならないと思います。
なお、オイルの劣化度は、オイルレベルゲージの先端部に付着したオイルを指に触れ、その色と粘度の具合で判別できるようなものではありません。オイルが黒ずんでいるからといって、劣化していると判断するのは大きな間違いですし、温度によって大きく変化するオイル粘度が正常かどうか見分けることは実際には困難です。このような判別法では、オイル交換の20日後に、ガソリンスタンドでまたオイル交換を勧められるようなはめになっても、不思議はありません。
簡便な分光分析機などで、簡単にオイルの劣化度を検出できるような装置がガソリンスタンドや整備工場などに配備されることが望まれます。
以上のことから、3千kmで交換するということは、まだ新品のオイルを捨ててしまっているようなものなのです。
また、オイルフィルターは、新品時のメッシュは粗く作ってあり、小さなごみ(10〜100ミクロン程度)は通しやすく、1〜2万km程度走行後には適当に目詰まりし、適正なフィルタ機能(10ミクロン以上は通さない)を発揮するものなのです。従って、6千kmで交換すれば、適正なフィルター機能を発揮する前に、フィルタを捨ててしまっていることになります。
ヨーロッパや米国では、オイル交換2回に対して1回、または1年毎に交換することを推奨しているメーカが殆どです。
実際、私は3万kmでフィルターを交換(オイル交換の2回に1回)していますが、これでも速すぎるのではないかと思っています。
3千kmでオイルを交換することは、1.5万kmで交換する場合に比較して、炭酸ガス排出量で約1.2%、燃料費で7%程度の増大(平均燃費11km/g、交換オイル4g/3千円と仮定)となります。
また、エンジンオイルには微量の塩素が含まれていることから、廃油処理のために通常の焼却炉で燃やせば、極めて有害とされるダイオキシンが発生することになりますが、燃費などと違って、これらについて一般ユーザにアピールされることが少なく、ユーザの意識も全くないのは残念です。
No.429 BMWのオイル劣化センサーの機能について
BMW、BENZのオイルセンサーの機能について、分かりやすく説明します。
完全に調査したわけではないので、幾分推定の部分もありますが、ご容赦下さい。
オイルの劣化は主として酸化によるものであり、酸化劣化を対象にセンサーが機能する仕掛けになっています。
オイルの酸化劣化による寿命(スラッジ・ワニスが堆積し、粘度が増加し、ピストンなどの摺動部分の摩耗が大きくなり、ゴムシールを攻撃するようになり始める時間)は、一般に10℃上昇する毎に1/2となります。
従って、エンジンオイルの温度を常時検出し、それをコンピューターで次のように積算します。
100℃で600時間の寿命とすると、100℃で1時間走行したらオイルは1/600だけ寿命が縮まります。90℃であれば、1,200時間となるので、90℃で1時間走行すれば、1/1,200だけ寿命が縮まるわけです。
100℃と90℃で1時間ずつ走行すれば、寿命は1/600+1/1,200=3/1,200だけ縮まるのです。寿命の縮まりが1になったところで、オイル交換が必要となります。
このようにコンピューターは常時エンジンのオイル温度を検出しながら、その時間経過に応じて、寿命の縮まりを計算し、積算しています。
その他、エンジンの負荷(回転速度、トルク)を検出し、それによって若干の修正を加えていますが、影響は少ないと思って結構です。
注意したいことは、寿命が温度の上昇によって、指数関数的に縮まるので、例えば、140℃で75時間、160℃だと19時間になってしまい、あっという間に寿命が尽きるということです。
従って、急加速・急減速の連続、超高速連続走行(160k/h以上)、冷却水の不足、オイルの不足(ポンプが圧送しなくなる)などによって、オイルは急速に劣化しますが、通常運転では、100℃程度以上にはならず、1.5万kmは充分劣化無しで走行できるのです。また、常温(30℃)では76,800時間(約9年)の寿命であり、走行もしていないのに、1年間で交換する必要はないことが分かります。
No.430 オイル劣化メカニズムの文献
オイルの劣化メカニズムの文献については、社内データは沢山ありますが、公表されているものとして、日石三菱のテクニカルレビュー1999(Vol.41/No.2)の22ページ図4.にあります(国会図書館などにあります)。
なお、特殊な添加剤や、吸気のイオン化など、物理・化学的に説明のつかない怪しげなものが出回っていますが、エンジンやトランスミッションは、現在世の中に存在するどんな添加剤を使っても、燃費を1%改良することは出来ないということを理解しておいて欲しいと思います。
また、オイル交換により、エンジン音が静かになることはありますが、殆どは旧オイルで走行してきて温度の高くなっているところに、冷たい新オイルを入れたため、軸受け(メタル)やタペットのクリアランスの減少とオイル粘度の上昇による、ガタ打ち音の軽減によるものです。
新オイルで走行し、温度が上昇すれば元の木阿弥になってしまうかどうかを確認してから、このガタ打ち音の軽減評価をするように気を付けて下さい。私の長い間の開発経験では、オイルの交換前後で、温度を一定にすれば、ガタ打ち音は変化しません。
No.448 早期のエレメント交換は、エンジンが可哀想
オイルエレメントの機能や交換時期については、NO.421に詳しく説明してあります。
新品のオイルエレメントは有害な金属粉(100ミクロン以下)でも通してしまいますが、2万km程度走行すると適当に目詰まりして、10ミクロン以上の異物は通さなくなり、エンジンにとっては喜ばしい状態となるということを、認識して下さい。
もし、メッシュ(網の目のこと)を最初から小さくすれば、流入抵抗が大きくなり、あのような小さなフィルターでは圧力損失が大きくなって、成立しないのです。
ちょっと言い過ぎと思われるかもしれませんが、オイルを3,000km、フィルターを6,000kmで交換するということは、新品のオイルを捨て、数十ミクロンの異物を通すフィルターを使っているということになります。
最近、コストダウンで…というカーメーカーの人の言があるとのことですが、設計思想は昔から変わってはいない筈です。エンジンやトランスミッションに異常がない限り、オイルフィルターの早期交換はエンジンにやや可哀想なことをしているのです。
ただ、無交換で10万kmも走行すると、目詰まりのため、フィルターをバイパスしてオイルと異物がオイルラインに入って行く構造となっているので、無交換はリスクが大きすぎます。
メーカーの推奨値は1.5万km(オイル交換と一緒)となっていると思いますが、3万km程度で交換するのが、実はエンジンに優しいと思います。
No.451 オイルフィルターの設計手法
この種の話しは、相手の矛盾点の一つ一つにこだわり、質問をし、その一つ一つに答え、どこかで矛盾したところで負けみたいな所があると思います。勿論、この掲示板には勝ち負けなどではありませんが。
Kevin j yoshikiさんの今までのご経歴についてはよく判りませんが、オイルフィルターの設計をしたご経験はないように思いますので、フィルター設計の一般的な考え方を以下に書いてみます。
一般に、小さなメッシュを通る流体抵抗圧力は、メッシュが小さく、開口総面積が小さく、流体の粘性が大きい方が大きくなります。不織布やペーパーでは、金網のように均一のメッシュとすることはできないので、通過粒径の確率(例えば30μの粒子は80%、100μは1%捕捉など)と流量に対する流体抵抗圧力でフィルター性能を定義します。
フィルター面積やメッシュの大きさが同じでも、開口総面積が大きくできれば流体抵抗は減ります。つまり、フィルター繊維を細くしていけば流体抵抗は減ることとなりますが、繊維の強度を確保するために、高強度繊維を使用する必要があります。コストを無視すれば、そのような設計もある程度可能です。
量産品は、あのようなランダムなメッシュですので、10μ以上のものは殆ど通過しないようにはなっていますが、僅かな確率で100μという大きな粒子も通過する可能性があります。当然、オイル交換直後のスラッジの殆どは捕捉できますが、少し目詰まりしたところが最適なフィルター性能となります。
ご指摘のフィルターがどこのレーシングカーの馴らし用フィルターかは知りませんが、10μ程度のメッシュであれば、均一メッシュの材料を選択することにより、特に繊維を細くしなくても、簡単に製作可能です。また、レーシングに限定すれば、極低温の流体抵抗を考慮する必要がなくなり、設計的にはむしろ楽になります。
磁石をフィルターの近傍に置いて金属粉を捕捉するという方法も、ごく一般的な手法です。
No.468 エンジンのフラッシング
「世の中には、極端に走ってしまう人種がいる」と思うことが色々あります。
極端に走る人が人類の歴史を造り、また破壊もしてきたことを思うと、極端に走るということはある意味で尊敬するべき存在です。
エンジンのフラッシングの話しを見たり、聞いたりする度に、このことを感じます。

カーメーカーの正式の整備解説書には記載していないこのフラッシング、果たして「意味のある極端」なのでしょうか?

結論から言いますと、カーメーカーの推奨値通り、オイルやフィルターを交換すれば、フラッシングは殆ど意味のないものです。

機械ものは生物と違い、老化はしない(させたくない?)と信じ、いささかの劣化も許容しないのだという前提に立てば、エンジンをしょっちゅう分解し、シリンダが摩耗していればボーリングし、オイルラインが動脈硬化していれば煙突掃除し、ゴムシールに小さな傷がついていれば交換する必要があります。

しかし、乗用車用部品は、ドライバーが気がつかない程度の性能劣化は許容しながら、16万km程度走行するということを前提に設計され、定期交換部品の指定をしているのです。

また、エンジンの内部は、摺動部以外は多少のスラッジなどがこびりついていても、性能には影響しません。むしろ、フラッシング作業終了後に剥がれた異物がフィルターを目詰まりさせたりする方が心配です(異物を剥がす場合は、エンジンを分解するなど、目視できる状態で実施するのが基本)。

同じエンジンでも、産業機械用の耐久性は乗用車用の100倍程度ですのでフラッシングなどの処置は有効です。

ただ、現在のフラッシング液には、極めて攻撃性の強い有機溶剤が使用されていると思われます。オイルシール、樹脂製タイミングベルト、フィルター、樹脂製ヘッドカバー、液体パッキン(オイルパンに使われている例が多い)などに対する耐久劣化を促進し、エンジン内部は見た目にはぴかぴかになったけれど、結局耐久性を損なうという危険を伴っているのです。

短期寿命でも、最高性能を望むレーシングカーであれば、第2回目のレース前に使うと良いのかもしれません
No.469 オイルの劣化は走行距離or時間?
オイル劣化の進み具合は、殆どがオイル温度とその温度に晒された時間によって決まります。オイルの劣化のメカニズムは、NO.419〜421で、解説していますので、参照して下さい。

オイルが劣化するということは、主として高温時にベースオイルや添加剤が酸化することです。

ただ、オイルの酸化は100℃以上の高温では問題になりますが、10℃上昇毎に寿命が約1/2となる(指数関数的な劣化特性)ことから、100℃で600hの寿命とすれば、130℃では75h、しかし40℃では1,600日の寿命となります。

従って、エンジンが作動していない常温で、しかも、 太陽光に完全に遮断されたエンジンのクランクケース内で、オイルが実用上問題となる程に酸化劣化するとは到底考えられません。

ですから、殆ど走行もしていないのに、半年に一回はオイルを交換せねばならない理由はありません。メーカ指定の1年毎交換もどちらかと言えば、オイルによる利益確保が主目的ではないかと思っています(日本では、今まで誰も突っ込んで問題にしたことがなかった)。

以上のように、ベンツやBMWなどドイツ車の一部では、車載コンピュータでそれらを常時監視し、オイルの劣化度合いを積算(積分)して、寿命が来たと判断されるときには、警告灯によってユーザに知らせるなど、非常に合理的にオイル交換を指示するものもあります。

油温計が装着されている電子制御エンジンであれば、表示装置とハーネスを追加するだけの低コストで実現できます。
オイルの寿命の考え方、およびBMWの警告システムの詳細(推定を含む)は、NO.429を参照して下さい。

ルマン出場車のエンジンオイルは、ベースオイルとして恐らく耐熱性の高い合成油(通常オイルより10℃高い)を使用していると思われますが、その場合、エンジンオイル温度が150℃以下となるような冷却仕様とすれば、24時間には充分耐えられると思います。
但し、高温で粘度の大きなオイル(低温粘度は犠牲となる)とし、軸受けが高温・高負荷に耐えられるようにする必要はあります。
No.470 オイル交換と環境問題
今まで、私はこの問題について、NO.421(-3-)で少々書き込みましたが、敢えてこの問題を大きくは取り上げず、技術的な見解を中心に事実を書いてきました。

何故なら、オイル交換が大好きな人は、環境保全との矛盾に対する答えを持ち合わせていないので、議論をすれば、苦し紛れに「車を楽しむこととは別次元の問題だ」、「環境問題を突き詰めていくと自動車を止めて、歩くしかない」などと、極論を言うことになり、議論は噛み合わず、果ては趣味の問題であるからほっといて欲しいという感情論になるのが目に見えているからです。

しかし、環境問題は、政府のやること、専門家が考えてくれるだろうと思いながら自分へ被害が及ばない限り、考えることさえ避けてきたのが私達日本人なのです。

ドイツでは、街角で車を止めてエアコンのためにアイドリングしていると、必ずと言っていいほど、文句を言われます。そして、それが日本人だと判ると、納得したような、そして軽蔑したような顔をして、それでも注意してきます。

ヨーロッパでは、1.5万kmでオイル交換と言うだけで、日本車の評判は良くないのです。日本人として恥ずかしいことだと思いませんか?

ちなみに3千kmでオイル交換する場合と、1.5万kmの場合とを比較してみますと、炭酸ガス排出量で約1.2%、燃料費で7%程度の増大(平均燃費は11km/g、交換オイルは4g/3千円と仮定)となります。

たかが1.2%と思うのか、我々庶民にできることは1.2%でも節約しようと思うかは、その人の価値観に基づいた感性の問題です。

また、廃油を燃やせば、塩素化合物の燃焼による猛毒のダイオキシンが排出します。高温の焼却炉であれば、ダイオキシンが少ないと言われていますが、全国にダイオキシン対策された焼却炉は数えるほどしかなく、処理コストも高いので、廃油の殆どがそのような場所で処理されているとは思えないのです。処理の実状は闇の中であり、今年の初めに、やっと通産省が実状を調査するとして計画しましたが、結果は発表されていません。
No.471 エンジンオイルが130℃の人集まれ!
エンジンオイルの温度が130℃であれば、オイルの寿命は75時間程度となり、平均時速が66k/hとすれば、5千kmでオイル交換をする必要があることになります(もし、160k/hであれば、1.2万kmとなります)。

普通の市販エンジンでは、エンジンの冷却水温度は85℃であり、そのときオイル温度が130℃にはならないのです。もし、オイルが130℃になると、冷却水は少なくとも115℃程度にはなり、ラジエータキャップの開弁圧となって水は沸騰し、室内の水温ゲージはオーバーヒートを示す筈です。

Kevin j yoshikiさんはどのような走り方でエンジンオイル温度を130℃にし、しかも、オーバーヒート状態でいつも運転しているのでしょうか?

このような議論はしたくなかったのですが、私の示したオイル寿命データをご自分の都合が良いように解釈しては欲しくなかったのです。
No.472 オイルエレメントの設計
それぞれが自分の判断で、車を大切にし、オイル交換などをして欲しいと思います。

長文が多いですが、是非読んでいただき、参考にして下さることを願っています。

勿論、私はオイルフィルターの設計もしました。細部は部品を専門に製造する協力会社が設計しますが、考え方などは摺り合わせての設計です。

フィルターの専門会社は日本には少数しかありませんし、互いに他社製品の機能などを比較していますので、NO.448、451に示した初歩的な設計の考え方は、どの会社でも共通のものと考えて結構だと思います。
No.484 アイドリング放置によるオイル劣化の計算例
タクシーやパトカーのように、車両を止めて、アイドリングで車を放置することがよくある車の場合、オイル劣化の進行が速く、距離寿命は縮まります。

都内で渋滞に巻き込まれた場合も同様です。

「日石三菱レビュー1999」にもこのことが記載されていますが、アイドリング放置時間と寿命との関係が明確にはなっていません。

そこで、簡便な劣化寿命計算方式を提案します。

アイドル放置のない一般的な走行では、15,000km毎に交換すればよいオイルであるとして、一日の平均走行時間A時間(信号停止時の一般的なアイドリングを含む)とアイドル放置時間B時間(この間のオイル温度は厳しく見て、走行時と同じと仮定)が判れば、次のようにして、推奨するオイル交換時期Lkmが決定できます。

L=15,000×A/(A+B)

つまり、通勤で毎日、50kmを平均車速25km/hで走行すれば、平均走行時間Aは50/25で2時間となります。加えて、アイドル放置時間Bが1時間とすれば、オイル交換推奨距離は15,000の2/3となり、オイルは10,000km毎の交換となります。

オイルの劣化は、晒されたオイルの温度によって、指数関数的に劣化するものとの仮定が成立した上での簡易計算です。

タクシーの場合の客待ち時間と走行時間の比率が判れば、おおよそのオイル交換時期が計算できることになります。一度ご自分の車のオイル交換時期推奨値を計算されてみては?
No.485 長期無交換オイル
市場で宣伝されている長期無交換オイルについて、個々のメーカーがどのようなベースオイルを使い、添加剤の種類や量をどのようにブレンドしているかは詳しく知るべくもありませんが、超寿命化技術の現状を少しだけ解説してみましょう(詳細は日石三菱レビュー1999に掲載)。

ベースオイルを超寿命化するには、原油を精製する際の製造過程を改良し、現在SG級のオイルに用いられている「溶剤精製法」から「水素化分解法」、さらには「高度水素化分解法」という精製法に変えていく手法があります。

これらの改良によって、硫黄、窒素酸化物、芳香族炭化水素成分(これらはオイルの酸化安定性を阻害する成分)が減少し、低温での酸化劣化によるスラッジの生成や高温での酸化劣化による不溶分の生成(いずれもオイルが分子レベルで縮合し、粘度が増大)が減少すると共に、低温粘度が高くなりにくい性質が得られます。

しかし、ベースオイルとしては、合成油(ポリ-α-オレフィン、ヨーロッパ車の一部に使用)がベストですし、合成油の温度に対する寿命向上は10℃分程度です。
油温が10℃下降すると、寿命は約2倍になるので、現状のメーカー指定オイルに対して、走行時間(=走行距離)は2倍となります。

指定オイルでは、約1.5万kmで酸化劣化防止剤(ベースオイルの酸化を防止するための添加剤)が先ず消耗し、次の約1.5万kmで清浄分散剤(オイルを酸化させる有害な物質を無害化)が消耗し、その後にベースオイルの不溶分の生成、そしてオイル粘度の上昇が始まりますが、より優れた清浄分散剤が開発され、合成油と組み合わせると、5〜6万km程度まで、超寿命化できると予想されています。

つまり、現在開発中の技術であって、完成にはゴムや樹脂類との適合性など、充分な試験が必要であり、カーメーカーと合同で取り組まない限り、真にユーザーに推奨できる長寿命オイルは完成しないと思います。

なお、オイルフィルターは上記のようなオイルの不溶分の生成が始まらなければ、交換の必要はないと思います。
No.486 カーショップのオイルエレメント
一般論ですが、カーメーカーの純正品を供給している部品メーカーのものは信頼して良いと思いますが、その他のイミテーション品は色々な径の粒子に対する捕捉率、流路抵抗(各油温毎)、耐熱性、耐久強度など、カーメーカーが各種の台上・実車試験、市場情報などから長年に渡って得た経験によって定めているスペック(設計的に守るべき機能)を熟知し、それに基づいて製造されていると考えて良いと思います。

換言すれば、流通経路が複雑で高価になってしまった純正品より、同一部品メーカーのイミテーション品を購入するのが頭の良い方法かもしれません。

従って、イミテーション品には、上記のように性能が著しく劣るものがあり得ますので、十分注意が必要です。

オイル寿命は熱履歴で決まり、フィルターの寿命は、劣化オイルのスラッジなどによる目詰まりによって、低温でオイル流動抵抗が増加し、フィルターをバイパスして有害な物質がオイルラインに流れてしまうことで決まります。

従って、単純に走行距離や時間で決まるものではありませんが、殆どの乗用車のカーメーカーでは、オイルと同時に1.5万km毎に交換することを推奨しています。

ただ、私は、フィルターの性質から、フィルターのみ3万kmで交換としています。
No.487 エンジンのフィーリングとオイル交換時期
エンジン音がザラついた感じになったり、低回転でガクガクが出やすくなったら、オイルを交換するということですが、エンジンオイルを交換したい症候群の人々の最後の砦が、この誰からも論破できないと思われるフィーリング説なのです。

音の大きさと、エンジンのエネルギー効率とは、エネルギーレベルが何桁も違うという意味で、全く無関係ということは、surosa7775さんのおっしゃるとおりです。

異音が大きくなると言うことは、タッペット、クランク軸のメタル軸受け、コンロッドのメタル軸受けなど摺動部のクリアランスが大きくなったということが殆どであり、点火時期が不適当(速すぎ)で、ノッキング音が大きくなることもありますが、いずれにしても、オイル交換で改善されるものではありません。

オイル温度が高い状態で走行後に、オイル交換すれば、即座にオイル温度が低くなり、オイルの粘度が増加すると共に、各部のクリアランスは減少して、相乗的に異音は減少します。
カー用品店でオイル交換すれば、交換前後での変化が強調されるのです。オイルの温度を一定にして、異音を比べてみて下さい。異音は、殆ど油温(粘度)と各部のクリアランスで決まるのです。

二硫化モリブデンは固体同士がこすれ合うときの摩擦係数を低減させる効果があり、エンジン始動時のスターターモータ負荷を低減させるなどの効果があり、異音低減にもちょっぴり寄与しますが、決定的なものではなく、エンジンのダメージ度とも関係ないものです。
No.488 フィルターの性能曲線
は残念ながら、時間の経過に対する濾過力のような公表データは見たことがありません。

試験条件としては、JIS D1611,D3904に記載されており、ある一定の粒径分布からなるテスト用コンタミ(ごみ)を準備し、それの捕捉率の時間経過を実験するものです。

実機では、エンジンオイルの汚れ具合(金属粉を含む)で、発生するコンタミが異なるので、エンジンの耐久試験条件を決め、耐久試験後に捕捉された重量でオイルの汚れ具合を試験し、上記の標準コンタミ試験と比較してデータとします。
No.489 オイル130℃よく解りました
失礼しました。

オイル温度130℃を連続的に出すのはなかなか難しいので、あのような書き方をしてしましました。

オイル交換時期1.5万kmの前提が、ターボ付きでないNAエンジンで、しかも連続登坂や、酷暑地域(砂漠など)でもなければ130℃は考えられないことから、あのような発言をしました。申し訳ありません。

サーキット走行では、オイル温度と冷却水温度の差が、30℃ぐらいになるエンジンは稀ではないと思います。

また、ターボエンジンの泣き所は、オイルが異常高温に晒されるということで、昔の空冷ターボは、タービンの軸受け部が加熱し、高速道路走行後は10分程アイドリングさせ、軸受け部のオイル温度を低下させてからエンジンを切らないと、軸受けが焼き付くという代物でした。

Kevinさんは色々なご経験がおありのようで、失礼なことを書いてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

あなたのおっしゃるとおり、130℃にまでなるようであれば、オイルクーラを付けるべきです。

何故なら、エンジンなどのオイルシール等に使っているゴム部品の耐熱性はニトリルゴムで110℃、アクリルゴムで120℃、フッ素ゴムでもう少しというように130℃の連続走行には基本的に耐えられないからです。

なお、特殊なエンジンでは、ラジエータキャップの開弁圧を高くして、高温にも耐えられるようにできないことはありませんが、色々な部分の耐熱性を強化する必要が出てくるので、大変です。
No.491 新車のオイル交換は必要か?
馴らし運転をすると、軸受けのメタル部分などの当たりがつくので、細かい金属粉が発生します。

しかし、それらはオイルフィルターで守られているので、基本的には、1,000km点検時のオイル交換は不要なのですが、販売会社はその後のオイル売上げを考えて、最初の点検時はオイル交換を無料で実施しているところが多いようです。

カーメーカーのエンジニアの中にも賛否両論がありますが、オイル交換派は、今まで交換してきたのだから、リスクを犯してまでという消極的な交換賛成派と言えます。

1,000kmで交換というなら、「500kmまでの金属粉はどうなるの?」という疑問は湧いてきませんか?

この問答には、最初のオイル交換は迷信に過ぎないという答えしかないと思うのですが・・・
No.496 モリブデン効果
モリブデン効果については、既に何度か取り上げました。
二硫化モリブデンは固体の表面にコーティングされ、固体同士がこすり合うときの摩擦係数を1/3に低減する驚くほどの効果があり、エンジンの始動時のスタータモーターの負荷を低減したり、エンジンが回転中でも、相対速度の小さいタペット部などの摩擦損失の低減には効果があります。また、こすれ合うため、モリブデンの寿命は5,000km程度でしょう。


しかし、オイルの粘度を低下させるわけではないので、軸受けなどのように油膜が形成される所や、ローラーロッカ−アームのような転がりが主体の部分の損失を低減させるわけではないので、燃費への影響は低温で高々1%程度です。

5Wー20の様な低粘度オイルは、ハイブリッド車など、カーメーカーにとって燃費チャンピオン車には燃費届け出値を少しでもアップさせるために使用しています。

馴らし運転での燃費効果が5%とすれば、モリブデン効果はそれを挽回できる値ではありません。

従って、5,000kmを越えて走行し、モリブデン効果がなくなっても、何ら問題はないと思います。

それとも、低温の燃費効果が1%でも、高価なオイル交換をしたいというのならすればよいと思います。

3,000km毎にオイル交換をすると、5,000km毎に比べ、7%の燃料経費の増大になるという試算を、既にN0.470で示しています。
No.503 ディーゼル用オイルでフラッシング?
ディーゼル用オイルには、高荷重に耐えられるような極圧添加剤、燃焼ガスがシリンダー壁を伝って入ってくるブローバイガス中の窒素酸化物(燃焼温度が高く、これが多い)に対する酸化劣化防止剤、軽油中に硫黄成分が多く、それへの対策添加剤などがガソリン用オイルに比べて多く入っています。

ガソリンエンジンに使用する分には、問題ないように思いますが、エンジンへの適合性(指定オイルは、メーカーで1年以上かけて適合試験を実施します)が保証されいるわけではありません。

また、粘度の低いディーゼル用オイルで、フラッシングするというのは、どのような意味があるのかも理解できません。

富士重工が水平対抗ガソリンエンジンにふさわしいオイルを規格化しているのですから、そのオイルを使用すれば、特別なフラッシングは必要ないのではと思います。
No.505 町乗り?
町乗りということは、一般ユーザーの乗り方のことですね。

ともあれ、オイル交換すれば壊れず、交換しなければ突然壊れるという決めつけは、極めて独りよがりと思いますが。

車の運転が下手な一般ユーザーほど、エンジンの異常にも気づきにくいし、カーメーカーを信頼して、指定通りのオイル交換時期を守っているのだと思います。
そのような人を脅し、不安に陥れないようにしたいものです。

オイルが劣化もしていない時点で、早期にオイル交換をすれば加速が良くなるという迷信?(そのようなデータを、カーメーカーは持ち合わせていません)も、本人の自己満足に止めるべきではないでしょうか?

ちょっと言い方がきつ過ぎたらごめん!

一流のラリードライバーやレーサーは、我々エンジニアからをむさぼるように正確な知識得ようとし、メカの知識と、車両挙動の限界をよく知り、それを含めて自分の実力(腕)にしようとします。そして、公道では極めて紳士的な走り方をし、車を大切にし、メンテナンスをしっかりします。と同時に、過剰メンテはしないものです。
No.506 ゴム材料の耐熱性
オイルシールの材料は、ニトリル、アクリル、シリコン、フッ素と4種類あって、この順に耐熱性が向上します。ニトリルでも、150℃ OKなどと書いてあるものもありますが、それはごくごく短時間のもの。連続では110℃程度ではないでしょうか。

フッ素ゴムなら、連続で130℃は何とかなると思いますが、コスト面もあり、また連続で130℃というのはゴムだけではなく、金属を含め、他の全ての材料について設計的に考え直さなくてはいけない限界となります。

とは言いながら、アクリルゴムでも極短時間(20時間程度)であれば、140℃を許容しているのですが・・・。

バイトンゴムというのは、良く知りません。ホース類に使われているゴムのことだと思いますが、私は設計したことがないので、コメントはできませんのでご容赦下さい。
No.508 5W-20は…  kevinさんの投稿
全部モリブデン系だと思って間違いないんじゃないでしょうか?

市販の後から入れる添加剤でも、モリブデン系は5,000kmしか効果が持続しないようです、体感などでは。

エンジン自体が5W-20を使用するように設計されているトヨタの一部車種などは交換サイクルをどのように表記してるのでしょうかねぇ?
No.517 kevinさーん!
kevinさんのNO.508に対する返信(5W-20の組成と交換時期)です。

私の経験から言って、5W-20には2硫化モリブデンが入っていると思いますが、モリブデンでは低温粘度は下がりません。

2硫化モリブデンの効果の詳細については、既に私が何度も書きましたので、繰り返しません。低温粘度を下げる目的は以下の通りです。

@北米の排ガステストには、コールドスタートでの走行モードであり、その排ガス規制を満足させるためには、低温でのエンジンのフリクションロスを精一杯低減させる必要がある。

A日本では、カーメーカーが燃費チャンピオン車と見なしている車種にはこのオイルを使い、運輸省の燃費審査値を少しでも良くし、他社の同様車種に負けないようにしたい。

B北海道、北米などの寒冷地(-10℃以下)では、バッテリ電流出力が極端に減少し、エンジン始動性が問題となるので、5Wー20の低粘度オイルとモリブデン効果が有効。

北米の排ガスは、5万マイル走行の耐久性を要求しており、かつ、時にはユーズドカーの調査もあるので、1.5万kmのオイル交換サイクル(北米も同じ)での排ガス劣化は許容できません。

モリブデン効果がなくなったとしても、その他のオイル機能(低温粘度を含む)は劣化しませんので、オイルを1.5万km継続使用しても殆ど燃費や排ガスには影響しません。

トヨタハイブリッド車は5W-20を1.5万km毎の交換としているようです。
No.548 オイル劣化度の見分け方
レベルゲージに付着したオイルの状態で、オイルの劣化度合いを判断するのは難しいのです。新品に比べて1,000kmでも走行すれば、オイルの中にはシリンダーの隙間からブローバイガスが入り込み、オイルの粘度は、ガソリンや燃焼生成物によって小さくなる要因と大きくなる要因とがあり、また、オイル分子の初期剪断によって小さくなる要因もあり、結果的に複雑に変化してしまいます。

通常の使用では、3,000kmまでは初期剪断によって粘度が低下し、25,000km程度で新品状態に戻り、その後はオイル自体の酸化劣化による分子間の縮合結合によって、粘度が上昇していきます(30,000kmまでは、使用可能)。…日石三菱レビューに記載

最近のアルコール系燃料であるGAIAXについて、残念ながらオイルとの相性についての知識は持ち合わせません(一般にアルコール燃料で心配になるのは、ゴム部品の劣化促進であり、長期の場合、アルミ部の腐蝕も少し心配)。

従って、Mallenialさんのオイルが酸化劣化が進んでしまった結果なのかどうかは、不明です。

レベルゲージからの滴り具合は、粘度と完全に対応するのかどうかも、怪しいのです。レベルゲージを抜いたときの付着量はオイルの表面張力(オイルと金属間の反発力)や粘着力(オイル分子間の引き合う力)でも左右され、最初に付着していた量によって、オイルの滴り具合も異なってくると思いますが。

要は、オイルが150℃以上の高温に晒されたどうかですので、サーキット走行で一時的にでも高温になったかどうかは、臭いで確認する方が正確でしょう。
No.554 RE:教えてください
新車1,000km時点で、カーショップで低粘度オイルに入れ替えたら、特にT/Mの低速段でエンジンのがさつき音が大きくなり、さらには高速段で通常走行時の音も大きくなった様な気がするとのことですね。

低粘度オイルとは5W-30のことでしょうか。一般的な乗用車の工場充填オイルは10W-30と思いますので、5W-30は低温粘度が1ランク小さいく、0℃以下の始動性や冷態時の燃費が多少良くはなると思いますが、エンジン音の変化が明確に判別できるというのは考えにくいことですね。

ただ、新品オイルは、1,000〜3,000km走行すると、オイル分子の初期剪断によって、初期の70〜80%に粘度が一旦低下し、その後30,000km走行まではほぼ一定で推移し、その後はオイルの酸化劣化の進行によって、粘度が上昇するという経過を辿ります。

従って、新オイル充填時から徐々にエンジン音は大きくなり、少し大きくなった状態が正常な状態でこれがしばらく続き、その後また音が静かになるという経過を辿ります(これに気づく人は、特にメカの変化に超敏感な人)。

ですから、エンジン音が初期よりがさついたらオイルを交換するということは、当たりがついて(オイル粘度が低下し)燃費や性能が調子よくなった時点で、どんどんオイルを交換してしまうことになるのです。

今回のように5W-30に変更した場合も、同様に定性的にはエンジン音が大きくなる方向ですが、エンジンの燃費・性能面はむしろ向上しているのですから全く心配はいらないと思います。
No.557 エンジン音とオイル粘度の関係
エンジン音が静かな方が良いと思われるのは自然な感覚です。

しかし、タペットクリアランスが小さ過ぎる場合、アイドリングの音を含めてがさつき音は静かになりますが、決して性能が良くなるわけではありません。適正なクリアランスが必要ですし、むしろ音が少しある方がエンジンにとっては正常なのです。

また、低粘度オイルの場合、滑り軸受けやピストンとシリンダー間の油膜が切れて、こすれ音が大きくなっているのではと懸念されているのでしょうか?

エンジンのメタル軸受けなどが焼き付く寸前には、音が異常に大きくなることから、そのような兆候と見なして懸念を持たれるのではないかと思いますが、エンジンが正常に機能しているときには、その感覚は全く当ての外れた感覚だと思います。

オイルの銘柄がどうであれ、低粘度オイルがエンジンを痛めるはずがありませんので、そのようなご心配は無用です。

油膜が切れるのは、オイル温度が160℃以上になって、粘度の絶対値が極端に低下した場合です。

5W-30と10W-30とは100℃の粘度は同じですし、始動直後の低温での粘度は両者とも100℃のときと比べると桁違いに大きいのですから。

オイルは3,000km走行程度で初期の粘度低下がありますので、音はやや大きくなりますが、その時点の音が正常と思えば良いのです。
No.558 取説のオイル交換時期
オイルの交換時期に関して、一般的にカーメーカーは、車の生涯維持費の低減、不適正なオイルを入れたときの不具合発生の防止、カーメーカー同士のイメージアップ競争(特に海外メーカーの環境対応に敏感に反応)などを考えて、交換時期を長くしようとする立場と、純正オイルの売れ行きが利益に結びつくことから交換時期を短くしようという立場とが社内で交錯しながら、どちらかというとオイル自体の長寿命化、冷却仕様の強化と共に、寿命限界まで交換時期を延ばして取説に記載する方向に進んでいると思います。

しかし、ディーラーの方は、新車販売による利益の薄さを何とかカバーしようとして、オイル交換(利ざやは大きい)をその月の売上げ目標にして取り組んでいるようですので、メーカーの長寿命化の動きには、激しく抵抗しているのが実状です。

従って、現在販売している一般ガソリン車の殆どは1.5万km毎、または一年毎の交換を指定しています。熱的に厳しいターボや、負荷が大きく、ブローバイガスによる劣化に不利なディーゼルは5,000km毎のものもあります。また、通常のガソリンエンジンで、5,000km毎のものがあったとすれば、5年以上前のエンジンか、冷却仕様が不十分で、恥を忍んで?短距離の交換を規定せざるを得なかったのでしょう。

昔は、オイル交換時期の長期化は利益を圧迫するという圧力が大きく、敢えて自社だけが先行して交換時期の長期化を指定しようという気にはならなかったのです。

現在、ヨーロッパ車は2〜3万kmが普通であり、日本車は肩身の狭い思いをしているのです。5千→1.5万km毎となったのも、外圧の影響が大きかったのです。

また、走りもしないのに、半年毎交換という根拠は全くありませんし、現在の1年毎の指定もオイルの劣化メカニズム(30℃以下なら、10年でも酸化劣化はしない)からは説明の出来ないものです。メーカとディーラーのオイル交換による利益の確保が見え隠れするところです。
No.561 私の油脂類メンテ方法     ブレーキオイル無交換に驚き(汗
私の車両と各オイル・オイルエレメントの交換時期などは以下の通りです。

車両:4年前に購入の3リッターV6-DOHCのFR-5A/T車(車名は勘弁して下さい)
走行距離:約1.5万km/年(通勤が多い)
エンジンオイル:1.5万km毎に純正オイル(10W-30で、純正のうちでは最安)に交換
エンジンオイルフィルター:3万km毎に交換(これのみメーカー指定の2倍)
エアフィルター:1年に一度は外周部を掃除機で吸入し、ほこり除去
ATFとフィルター:無交換(車検でも交換しない。以下同様)
ブレーキオイル:無交換
パワステオイル:無交換
クーラント:車検毎(自分で交換)
ドアヒンジ部などの給油:1〜2年毎に自分で
ワイパー:ゴムのみを購入し、1〜2年毎に自分で交換

以上の通りですが、オイルやクーラントのレベル(量)や性状チェック(目視、臭い)、バッテリ液のチェック、ブレーキパッドの摩耗状態、タイヤの空気圧、各部のオイル漏れ、ボールジョイントや等速ジョイントのブーツなどのチェックを3〜6ヶ月毎に自分で実施しています(他人には任せない)。

バッテリには充電用太陽電池(カー用品店で5,000程度のものを購入)装着し、一週間以上乗っていないときは小型充電器で充電し、交差点停止時にはNレンジにするなどバッテリの劣化防止には努めています(5年はもちます)。

その他、走行時の異音やブレーキの効き、ハンドルの異常振動、タイヤの鳴き、操縦安定性などを走行中には常に気にかけ、異常があれば勿論修正やオイルなどの補
No.564 RE:じゃ質問
Siwakedennpyouさんの仰るとおりです。

私は、オイル交換時期について、先ずオイルの物理・化学的な性状と劣化メカニズムの解説から始め、掲示板を読んでおられる大多数の方々に判りやすいように、国産乗用車を対象にして解説してきました。

トラックはトラックの、米国の大型乗用車車にはそれなりの設計的な考え方があり、それぞれの国の使用条件(気温、制限速度、山岳路、砂漠、ユーザーの慣習、指定オイルの入手性)によって交換時期が異なりなす。どちらかと言えば、先ずオイル交換時期を他社の車両と比較しながら遜色がないように決め、その交換時期によって、オイルの性状や冷却仕様を決めるといった方が当たっているかもしれません。

ですから、原則的にはその車の解説書(取説)に従ったオイル交換時期を守ることがメーカー保証の点からも正しいと思います。

ただ、何度も言ってきましたが、メーカー保証の観点からは、早めの交換を指定している場合が多いこと、オイルを生活の糧にしている集団(組織)の利益を敢えて踏みにじるようなことはしたくないという不文律が存在していることから、早期に交換しているユーザ−に対しても、技術的な解説を加えた上での親切な忠告を避けてきたという経緯があると思います。

一日に乗る距離が多く、オイル温度が110℃を越えなければ、交換時期はもっと長くても良いのですし、近所の買い物だけというのなら、オイルの低温劣化も考える必要があるでしょう。それらを考慮して、4,5年前以降の国産乗用車では、安全を見て、殆どが1.5万km毎という短めの交換時期に設定されているのです。

尤も、通勤が山岳路の往復であるとか、アイドル停車の多いタクシー、パトカーは短めの設定になっています。

エンジンにダメージを与え始める限度一杯まで、オイルを有効に使用しようとすれば、一部のドイツ車にあるような劣化センサー(NO.429に詳細解説)が必要です。
No.565 T/Mのオイル交換時期
A/T、M/Tとも、現在の市販車は無交換という指定(カーメーカーの推奨値)が多くなってきました。

馴らし運転後の摩耗金属粉除去という名目で、交換する人は多いですが、基本的に必要ありません。

個々の車によって、使用オイル、冷却仕様が異なりますので、カーメーカーの推奨値(取説、整備ノートなどを参照)に従うのが良いと思います。推奨値は、実際のオイル劣化度合いと比べると、短距離となっています。
No.566 じゃあ、質問-2
排気量の大きいアメ車、軽のターボ車の具体的なオイル交換時期については、その車の取説によります。

一般論で言えば、ターボ車はターボの軸受け付近の温度を下げることが基本的に難しいことから、軽以外の普通車でも5,000km毎というのが多いでしょうし、運転の仕方によっては、指定より早く交換するべきと思います。

アメ車については、エンジンの排気量が大きければ、オイルの劣化が早いとは言い切れません。

特にFR車では、エンジンルームの冷却条件が良く、FF車より10℃程度は有利ですので、オイルの寿命にすれば、倍ぐらいに伸びます。
No.577 FR、FF
次第に憂鬱になってきました。この種の議論は平行線だからです。

80年代の前半以降に、燃費と居住性の向上を目指して、小型乗用車がFRからFFに一挙に変わりました。

そのときの開発経験があれば、このように議論にもならないような説は出てきません。

それまでのFR車のオイル交換時期(A/TではATF8万km)を維持しようとして各メーカーともエンジンルームの通風改善による冷却、遮熱板の設置、駆動効率のアップ、ラジエータ仕様の見なおしなど、あらゆる対策を実施したのですが、オイル交換時期を短縮(ATFで4万km)せざるを得なかったのです。

トヨタ純正オイルで1万km走行したら、スラッジだらけと言う表現には感心しません。油温を140℃以上にすれば、早期にスラッジが発生するのは当たり前です。

どのような走行条件で、どのように走ったらスラッジだらけとなったということでなければ、善良なユーザーをだまし、なんとかオイルで暴利をむさぼろうという商業主義に荷担するだけです。

私は、エンジンオイルを1.5万km毎に交換していますが、10年以上、15万kmは殆ど機能劣化しないと確信してこのようにしているのです。

但し、山岳路のみを通勤に使用するとか、加速は全開、減速は急ブレーキとか、3km以上は殆ど走らず、内部で結露した水分を蒸発させるチャンスが少ないなどのような条件では、メーカーはターボであれば2.5千km、普通のガソリン車は7.5千kmというように、正規の約半分の交換時期を指定していると思います。

従って、普通の道路条件の所を普通に運転をしながら、車を大切にし、長持ちさせようと思っている人に恐怖心を抱かせる様な表現は慎みたいと思います。
No.578 ブレーキオイル
オイルの交換時期に対するメーカーの推奨は、ブレーキ温度が高くなる可能性の大きいスポーツタイプの車や重量の大きい車は2〜3年毎、その他は4〜5年毎などとなっているように思います.

年月が経つて、ブレーキオイルの中に水分が溶け込み、水分の溶け込み量が多い場合は、ブレーキを多用して高温になると水分が蒸発し、オイルの圧縮弾性率が極端に低下して、ペダルを踏み込んでもすかすかとなって、フロアまで踏み込んでしまうことになります。

現在のブレーキオイルは、オイル自体の材質を改良し、年月が経過しても水分の混入が殆どなく、上記のような現象が発生しないようになってきています。

レーシングカーのように、ブレーキディスクが赤くなるまでにブレーキを酷使するものを除き、オイルの実力としては、無交換が可能となっています。

ただ、無交換はディーラーの猛烈な反対にあいますので、上記のような旧態然たる交換時期を表示せざるを得ないのです。

ものの本には、レーシングカーのような厳しい条件を設定し、万が一のリスクをことさらに強調し、車検毎あるいはさらに短期のオイル交換を進めるものが後をたちません。

ただ、ブレーキホースを交換すればオイルが抜けてしまうので、その分の補充は必要となります。
つづく

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