4人無理心中:一家のSOS生かせず 江戸川の民家
毎日新聞 2012年04月11日 15時00分(最終更新 04月13日 00時01分)
東京都江戸川区の民家で、6日夜に小学生2人を含む一家4人の遺体が見つかった“無理心中”事件。この一家では、今年1月に父親(34)が自殺したばかりで、母親(28)も精神的に疲れた状態が続いていたという。区側が家族の相談に乗り出すなか、一家の「SOS」はなぜ届かなかったのか。
「子供が靴を履かずに歩いている」。最初に一家の異変に気付いたのは昨年12月下旬。近所の住民から同区「子ども家庭支援センター」に通報があった。
裸足で出歩いていたのは小学4年の長男(9)。一家は福岡県筑紫野市から昨年秋に引っ越してきたばかりで、両親と長男、小学2年の長女(7)、母親の兄(29)の5人で生活していた。
文京区の不動産会社で働いていた父は今年1月に自殺。母親の義父(64)=千葉県市川市=によると、「死にたい」と母親が自室にこもり始めたという。義父は、ほぼ連日、一家の食事の世話などをするため泊まり込んだ。母親は「子どもだけを残すのはかわいそうだ」と心中をほのめかすこともあったという。