4人無理心中:一家のSOS生かせず 江戸川の民家

毎日新聞 2012年04月11日 15時00分(最終更新 04月13日 00時01分)

4人の遺体が発見された民家付近に集まる捜査員=東京都江戸川区松江で2012年4月6日午後9時52分、武市公孝撮影
4人の遺体が発見された民家付近に集まる捜査員=東京都江戸川区松江で2012年4月6日午後9時52分、武市公孝撮影

 東京都江戸川区の民家で、6日夜に小学生2人を含む一家4人の遺体が見つかった“無理心中”事件。この一家では、今年1月に父親(34)が自殺したばかりで、母親(28)も精神的に疲れた状態が続いていたという。区側が家族の相談に乗り出すなか、一家の「SOS」はなぜ届かなかったのか。

 「子供が靴を履かずに歩いている」。最初に一家の異変に気付いたのは昨年12月下旬。近所の住民から同区「子ども家庭支援センター」に通報があった。

 裸足で出歩いていたのは小学4年の長男(9)。一家は福岡県筑紫野市から昨年秋に引っ越してきたばかりで、両親と長男、小学2年の長女(7)、母親の兄(29)の5人で生活していた。

 文京区の不動産会社で働いていた父は今年1月に自殺。母親の義父(64)=千葉県市川市=によると、「死にたい」と母親が自室にこもり始めたという。義父は、ほぼ連日、一家の食事の世話などをするため泊まり込んだ。母親は「子どもだけを残すのはかわいそうだ」と心中をほのめかすこともあったという。

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