立川ワシントンホテル |
Interview & Writing:藤田峰子 コンペを勝ち抜いた提案力と ■設計コンペを勝ち抜いた「才色兼備」提案
東京都立川市。周辺に多くの大学や広大な公園を持つ、西東京の中核都市である。ここに昨年10月、「立川ワシントンホテル」がオープンした。昨年から10年ぶりに10棟を新規開業予定としているワシントングループホテルの1棟目となる。当社はこの物件の設計施工をコンペで勝ち取った。 |
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■コンペの勝因ポイント1・デザイン 茶系を基調に、ファサード、外観からロビー、室内まですべて品格のあるホテルとなっている。特に室内は広さ、バスルームの清潔感、インテリアからリネンに至るまで、一利用者としての視点からも申し分がない。ホテル内を案内して下さった立川ワシントンホテル総務部課長代理の大矢さんからは「お客様は空間と時間を買いにいらしているわけで、パーフェクトで当たり前、さらに付加価値を求めていらっしゃいます。その意味で、ハード面では好評です」と言って頂いた。
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■コンペの勝因ポイント2・ランニングコスト低減への提案 2つ目の決め手はランニングコストの合理的低減。「掃除しやすい状況をつくることでルームメイクの時間を10〜15分短縮でき、それが人件費につながっていく。各室のエアコンを集中型でなく家庭用にすることで、個別コントロールによる省エネができ、故障や不具合も簡単に直せる。換気システムの点検口を廊下につくることでメンテナンスが楽にできる。そのほかカーテンの種類に至るまで、快適でメンテナンスしやすいホテルを提案し、受け入れて頂いた」(田辺さん)
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■ホテルの居住性を高める遮音 ホテルにとって最も重要なものの1つは「居住性」だ。そこにはサービスというソフト面が大きく関わるが、ハードの要素で大きなものは「遮音」ではないだろうか。隣室や廊下から聞こえる音はホテルライフを大きく損なう。施工を担当した東京建築第一支店の中島さんに話をうかがった。
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■設計施工による効率アップ
今回の施工を中島さんは「客室部分の4階から12階までが同じパターンだったので、施工効率が良く、それが精度の高さにつながった」と振り返る。パターンの繰り返しによる管理費など目に見えないコストの圧縮。それを可能にしたのは、トータルに監理でき、トップダウンが効率的であるために機能的にコストダウンが図れる設計施工ならではのメリットだったという。「この成果はここだけのものではなく、マニュアル化することで、VEのメリットを中小の現場に適用できると考えています」 |
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■工事概要
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立川ワシントンホテル|大東ビル(耐震補強及び改修工事)
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