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最終更新:2012年4月23日(月) 19時28分

スー・チーさん、議会登院を拒否

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 民主化運動指導者のスー・チーさんは23日、議員として初登院する予定でした。しかし、就任の際に行う宣誓が“非民主的”だとして事実上、登院を拒否しています。そんな中、来日中なのがテイン・セイン大統領。日本政府は民主化の進展を評価して、多額の債権放棄や円借款の再開などの支援策を打ち出しましたが、スー・チーさんの登院拒否はこうした流れに水をさすものとなっています。

 去年3月の民政移管以来、急速に民主化を進めてきたミャンマー。中でもアウン・サン・スー・チーさんの国会議員当選は象徴的な出来事でした。先週、ミャンマーの首脳として28年ぶりに来日したテイン・セイン大統領に対し、日本政府はおよそ3000億円にのぼる債権の放棄や円借款の再開などの支援策を世界に先駆けて表明しました。

 「(民主化が)現状から後戻りすることはありません」(ミャンマー テイン・セイン大統領)

 23日、都内で会見したテイン・セイン大統領は、「日本とミャンマーの歴史に新しいページが刻まれた」と歓迎しました。ところが、ミャンマーで開会した国会に、民主化の象徴であるはずのスー・チーさんの姿はありませんでした。

 国会議員は就任する際、「憲法を守る」ことを宣誓しなくてはなりません。軍事政権時代に作られた憲法は軍の優位を定める内容のため、「憲法改正」を公約して当選したスー・チーさんは、宣誓の文言を修正するよう要求しているのです。

 これについて大統領は・・・
 「スー・チーさんが国会に参加しないのは彼女自身の決断であり、国会はいつでも彼女を歓迎しています」(ミャンマー テイン・セイン大統領)

 文言の修正には簡単に応じられないとの姿勢を示しました。

 「ボイコットではありません。出席すべき時を待っているのです」(アウン・サン・スー・チーさん)

 スーチーさんの国会デビューはいつになるのでしょうか。今後の民主化の行方を占うだけに注目されます。(23日17:03)

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