2011年3月24日21時51分
電源の復旧作業が続けられている東京電力の福島第一原子力発電所3号機で24日、ケーブルの敷設をしていた男性作業員3人が被曝(ひばく)した。東電によると、水に浸っていた2人の足のひざより下に局所的な放射線障害の可能性があるとして、2人を福島市内の病院に運んだ。今回の被災事故で、局所被曝の疑いで本格治療を受けるのは初めて。この影響で3号機の一部や付近での作業が中断、復旧に向けた作業は難航している。
3人は20〜30代の東電の協力会社の作業員。3号機で冷却装置の復旧に向けた作業中で、午前10時ごろから浸水したタービン建屋地下1階でケーブル敷設をしていた。
上半身につけた個人線量計の値は173〜180ミリシーベルト(作業員の被曝線量の上限は250ミリシーベルト)だったが、3人のうち2人は水深15センチのところで、くるぶしまで浸っていたという。作業用の靴の上部から水が入ったらしい。水面での線量は毎時400ミリシーベルトに達しており、診断した医師は局所的な放射線障害である「ベータ線熱傷」の可能性があるとみて、福島県立医大病院(福島市)に搬送、入院した。
経済産業省原子力安全・保安院によると、2人は千葉市の放射線医学総合研究所で治療を受けることになるという。
作業現場は、前日の空間線量は毎時数ミリシーベルトだったが、この日は毎時約200ミリシーベルトになっていた。
福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート