日本の火祭り 青森ねぶた
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韓国「燃灯会」のユネスコ無形文化遺産申請について(2012.4.11)
社団法人 青森観光コンベンション協会
(青森ねぶた祭実行委員会事務局)
PDF版(181KB)
 去る3月30日、韓国の中央日報紙において『韓国人の代表食品「キムチ」を無形文化遺産に…ユネスコに申請』と題する記事が掲載されました。
 http://japanese.joins.com/article/631/149631.html
 この記事中に、青森ねぶたとの類似性を指摘されている韓国の仏教行事「燃灯会」が、ユネスコ無形文化遺産へ登録申請されるという記載があったことから、青森ねぶた祭をご心配いただく多数のご意見・お問い合わせをいただいていますので、当協会の見解をここに掲載します。

【韓国に対して青森ねぶたの制作指導があったかどうか】
 この件がインターネット上に広まる契機となった一部ウェブサイト等では、「青森ねぶたが韓国で運行した際に、韓国側に対しねぶたの制作方法を指導した」と伝えられていますが、これは全くの誤りです。
 2005年に日韓両国が『日韓友情年2005記念事業「日韓交流おまつり」』を開催し、外務省の要請により青森ねぶたも参加しました。当時、ねぶたは青森で制作したものを韓国へ運び、現地ではねぶた運行へ参加してもらうため踊り子(ハネト)やお囃子の講習会を開催しました。しかし、この時に制作方法を指導した事実はありません。
 また、青森ねぶたの制作者を始めとする関係者に対し、過去に韓国人への制作指導に当たる行為が有ったかを調査しましたが、該当する事実は確認できませんでした。
 したがって、青森ねぶたの制作技術を公式に韓国側へ伝えたことは、これまで無かったと考えています。

【祭りの形態と起源について】
 青森ねぶたと類似の指摘がある「燃灯会」は、元々韓国に古くから伝わる仏教法会とされており、1950年代に始まったお釈迦様の誕生日(旧暦4月8日)を祝賀する提灯行列が、1996年にリニューアルされて、大小の燃灯(提灯)の展示やパレードを行う祝祭行事として始められたようです。
 この燃灯パレードにおいて、青森ねぶたに似ている人形型の大型灯籠が見られることから、青森ねぶたの模倣ではないかとのご意見をいただいていますが、燃灯会以外にも人形型の大型灯籠を使用する行事は各地に存在します。具体的には、中国の旧正月を祝う行事として中国各都市で行われる灯籠祭り、長崎および台湾のランタンフェスティバルなどがあります。
  ○上海豫園ランタン祭り(エクスプロア上海)
   http://www.explore.ne.jp/feature/yuyuan.php
  ○長崎ランタンフェスティバル(公式)
   http://www.nagasaki-lantern.com/
  ○台湾ランタンフェスティバル(公式)
   http://www.taiwan.net.tw/2012TaiwanLantern/3/index.aspx
 人形型の大型灯籠を使用する祭りの形態が、青森ねぶた固有の特徴ではない以上、灯籠の造形をもって模倣の挙証材料とすることは難しいと思われます。
 燃灯パレードが大々的に開催され、人形型の大型灯籠の姿が見られるようになった時期が近年であることから、青森ねぶた祭を参考にした可能性も考えられますが、その明らかな証拠は見当たらず、祭りの形態だけでは燃灯会を模倣と断定することは困難です。
 また、青森ねぶたは起源が定かではありませんが、中国から伝わった旧暦七夕の行事の変形説が有力で、燃灯会は釈迦誕生節を祝う伝統的仏教儀式とされていることから、それぞれの成り立ちは異なっています。このことからも、青森ねぶたと燃灯会の間には歴史的関連性や相互の影響などは無く、双方が独自の経緯を辿って現在に至ったものと認識しています。

【ユネスコ無形文化遺産登録申請について】
 燃灯会がユネスコの無形文化遺産へ申請した具体的な内容は不明であり、青森ねぶたに何らかの影響が及ぶ可能性があるのか、現時点では判然としません。そのため、韓国文化財庁に対し申請内容の開示を求めていますが、まだ回答を得られていない状況です。
 通常の場合、ユネスコが設置する政府間委員会で審査する約1ヶ月前に、申請内容が公表されるとのことです。今回の件を取り上げた一部ウェブサイトでは、「燃灯会が青森ねぶたの起源を主張して申請した」と伝えていますが、どうやってその内容を確認できたのか不明です。
 申請内容が分からない以上、青森側として対応が必要かどうかの判断もできないため、まずは事実関係を把握して、青森ねぶたへの悪影響が認められる場合に、適切な対応を図ることとなります。
 なお、燃灯会が青森ねぶたの起源としてユネスコへ申請されるわけではなく、「新羅時代から伝わるとされる韓国の伝統的な仏教法会」として、独自の起源と歴史的経緯を主張して無形文化遺産へ登録申請する場合には、青森ねぶたとしてその差し止め等を求める特段の理由は見当たりません。燃灯会が無形文化遺産に登録されたとしても、他国の類似行事に対し何らかの圧力を与えられる根拠となるものではないとも言われています。しかしながら、私たちは青森ねぶたを「ねぶた」「ハネト」「囃子」が三位一体となった青森固有の文化として、その歴史と伝統を国内外に伝えていく必要があると考えております。

【韓国側に対する抗議について】
 一部で言われている「青森ねぶたは韓国側へ抗議する意志が無い」ということは、全くありません。模倣されたことを確実に示す証拠や資料、青森ねぶたの起源を捏造する主張、発言などが確認できた場合には、先人達がこれまで築き上げた青森ねぶたの歴史を守り、今後も正しい形で保存伝承していくために、毅然とした対応を取って参ります。
 しかしながら、燃灯会に対して青森ねぶたの模倣・剽窃として抗議するためには、模倣されたという事実の立証が必要であり、現在のところ、燃灯会による模倣を示す明白な証拠や材料は確認できません。憶測や誤った情報の伝聞も多く広まっていることから、当協会としては、様々な情報の正誤を見極めた上で、慎重に対応すべきであると考えています。
 また、韓国側が「青森ねぶたへ影響を与えた(オリジナルは韓国である)」と主張しているという噂を元に、青森ねぶたの起源捏造について抗議を求める意見もいただきましたが、一般個人の発言以外に、韓国側が起源を主張する公的発言は確認できていません。
 したがって、青森側からの抗議や反論を向ける適当な対象が、見当たらない状況にあることについてご理解をお願いします。

【補足:インターネット上で見られる、誤った情報について】
青森ねぶた祭の開催経費に対し、国や青森県からの補助金等の交付は一切ありません。祭りの開催経費のうち、約3割を青森市や青森ねぶた運行団体からの負担金で賄い、残る約7割を有料観覧席販売などの事業収入によって賄っています。

当協会の見解のまとめは次の通りです。

1. 青森ねぶたが韓国側に対し制作指導をした事実はありません。
2. 青森ねぶたと燃灯会の灯籠は似ていますが、人形型の大型灯籠は各地の行事で見られることから、模倣と見なす十分な証拠や材料になりません。
それぞれに伝わる起源や経緯が異なることからも、独自に発展してきた行事と考えられます。
3. ユネスコ無形文化遺産へ申請される内容が確認できない今の段階では、青森ねぶたへ影響があるのかどうか不明です。確認後、悪影響が認められる場合には、適切な措置を図ります。
また、青森ねぶた固有の歴史と文化を、国内外に広く伝えて参ります。
4. 韓国側へ抗議してしかるべき模倣の証拠や起源捏造の公的発言が無い以上、対応のしようがありませんが、証拠や発言が明らかになった際は、毅然とした態度をもって臨みます。

 今回の件に関し、青森ねぶたに対する心配と応援をいただき、誠にありがとうございます。青森ねぶた、ひいては日本の歴史文化に傷をつけないためにも、拙速な対応で誤ることの無いよう、状況を見極めつつ対処して参ります。
 今後とも青森ねぶた祭へのご支援ご協力をいただきますようお願い申し上げます。


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