渓 流 シ ュ ー ズ の フ ェ ル ト 張 替 え 決 定 版


今回のは自信あります。

2003年12月16日 






今回使用した接着剤と工具

・接着くん ・クールガン ・プライヤー ・カッターナイフ ・EPIガス ・使い捨てのアルミ皿


シューズとフェルト

今回は実験のため、ボロシューズと中古フェルト使用しています。

「フェルトを剥がす〜やすりで均す」までの手順はこちらをご覧下さい。





1、接着剤を熱で溶かす
 ホットボンドを3本(片側分)ほど、数枚重ねた皿の中に入れ熱します。今回は身近なEPIガスを使用しました。火力は最小で十分です。出来れば写真のような軽い皿ではなく、金属バットやフライパンなどの調理器具が扱い易いです。また、ホットプレートやアイロン、ストーブなどの温度調整可能な電熱器を利用したほうが、接着剤を焦がさずに済むかと思います。(200℃前後)接着剤は加熱するとすぐに融けますが、温度が高いと泡が出て茶色く焦げてきます。多少焦げても構いませんので、出来るだけ液状になるよう温度を保ってください。ただし、ある温度を超えると煙が出て臭いので換気は必ず行ってください。




2、熱したヘラで接着剤を掬う
 写真では、ヘラの変わりにカッターナイフを使用しています。カッターナイフの刃もあらかじめ暖めておきました。パテ用の金属ヘラやゴムヘラ(幅5cm以上)が最も扱い易いと思います。



3、接着は一気に
 接着材は温度が下がると、すぐに固形化します。その前に張り合わせなければなりません。接着はカカト部分から順に行います。ヘラで大量にすくった接着剤をスポンジ面に一気に塗ります。接着剤は、多少隙間が開いても問題ありません。塗りムラや細かい事を気にしてはいけません。出来るだけ短時間で思い切って張り合わせましょう。エッジ部分は後から補修出来ます。最初はフェルトの方向と靴底の方向が一致するよう、慎重に張り合わせます。張り合わせたあとからでは方向修正できません。張り合わせたら、手で軽く圧を掛けます。約15秒で接着剤は固まります。接着後、試しに手で引っ張っり、剥がしてみて下さい。余りの強力な接着力に驚き感激します。



4、あとは少しずつ
 カカト部分の張り合わせが成功したら、後は焦らず少しずつ接着していきます。接着作業では、最初戸惑いが生じますが、すぐに慣れ楽しくなります。



5、エッジ部分
 仕上げのエッジ部分の処理です。今回はクールガンという商品を使用しました。ホットガンでも同じです。出来るだけ熱量の高いものが良いです。今回私が使用したのは、15Wの高温のガンですが、それでも温度が低いと感じました。業務用のガンを使用すれば完璧かと思います。接着残しが多いエッジ部分は、コーキングの要領でパテ埋めします。また、ガンが無くても小さなヘラがあれば同じ作業は可能です。最後に、はみ出たフェルトを、カッターナイフでカットします。

これで完成しました。



・これはダメ!
 クールガンで直接塗る方法も試しました。結果、接着剤の温度が低く接着力はかなり弱くなりました。この方法では必ず失敗します。



・フェルトにフェルトを張る
 フェルトを剥がすのが面倒な方は、剥がさずに直接フェルトに接着してください。写真は、フェルトにフェルトを接着したあと、プライヤーで引っ張り、接着力をテストしているところです。クールガンで張り合わせた部分はやはり剥がれましたが、皿で熱した接着剤面はビクともしませんでした。これはかなり有効です。但し、重荷で沢を歩く方にはお勧め出来ません。



・これさえあれば完璧
 写真は今回使用したスティック接着剤(12本入り)です。一度溶かして余った接着は次も使用できます。1足組で6本あれば十分です。専用のガンは、必ずしも必要とは言えません。予算に余裕があればで良いかと思います。とにかく一度試して見て下さい。きっと自分なりの方法を見つけられると思います。ホットボンドは登山用品やルアー、釣具等の補修などにも活用できます。なお、ホットボンドは玩具店、ホームセンターなどで入手出来ます。私はコメリホームセンターで買いましたが、カーマホームセンターにはホットボンドが置いてありました。



・ホットスティックの概要
(ホットボンド)
エチレン酢酸ビニル共重合体 : 50〜60%
炭化水素系樹脂 : 40〜50%
軟化点 : 82℃
固形化時間 : 18秒
接着強度 : (接着温度160℃)
剥離強度 :  (カンバス地) 2.59kg/cm2
剪断強度 :  (PVC-PVC) 27.81kg/cm2
         (PVC-ABS) 24.33kg/cm2




【 本 チ ャ ン 編 】

ホットボンド6本を一気に溶かす



今回は大型のゴムヘラを使用



短時間で塗る



接着が終わったらハミだしフェルトをカット



作業開始から約20分で完成!






【 気 付 い た 点 】

・接着剤の塗る量が多すぎて靴自体が重くなった。(薄めで充分だと思う)
・塗りムラを気にせず、塗ったら数秒で貼り合わせる勇気が必要。
・接着力が強過ぎるた次回は剥がせません。



【 実 績 】

釣行使用後こんな感じになりました。もちろんフェルトは剥がれませんでしたよ。




補強で使用したスーパーXは、ゴム地とスポンジ面への相性が悪く
写真の通り剥がれてしまいました。補強も同じホットボンドを使用することをお勧めします。




自分で行うソール張替えは、入手し易い材料を使う事と、
誰でも簡単に出来ることが前提となります。
また、私一人のフィールドテストでは実績として不充分かと思います。
クールボンド又はホットボンドで接着し、実際のフィールドで使用された
ご意見やご感想などあれば、是非お聞かせ願います。




こっそり教えます!

私は新品のシューズを買ったら、すぐに補強処理を行っています。


【 つ ま 先 の 補 強 】

写真は、今シーズン数回履いたシューズです。
傷み易いつま先部分のガードは効果絶大です。




【 裁 縫 部 分 の 補 強 】

破れる前に補強しておけば万全です。但し、見た目は相当悪くなります。




愛用のシューズたち





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