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2006/09/22

安倍晋三と統一教会(3)

 9月21日(木)「安倍晋三と統一教会(2)」で紹介した「平和自動車総合会社」の衛星写真を紹介しておく。場所は北朝鮮の南浦にある工業団地である。工場長は金武泰。統一教会信者ではなくクリスチャンだ。統一教会が日本政府の監視対象になったのは1994年のこと。霊感商法を行っているからという理由ではなかった。北朝鮮との密接な関係が生じていたからである。警察庁出身の政府関係者がわたしのところに情報収集に来たとき、そう語っていたことを思い出す。安倍政権では金融制裁を実行することはもちろん、北朝鮮を財政的に支える統一教会への監視はさらに強まるという。京橋の映画美学校で「キング 罪の王」の試写を見る。「聖書」にあるカインとアベルの悲劇の現代版か。これが事実なら現実の方が地獄の壮絶さは激しい。細かい部分では「あれっ」と思うところもあるが、いちばんの難しさは日本がキリスト教文化でないことだ。広い意味でのキリスト教福音主義の背景がわからなければ、なかなか理解が届かないかもしれない。それでも人間の根源を問う作品ゆえにコメントを書くことにした。さて銀座に出て「伊東屋」で文房具を見て歩くか、それとも神保町へ行くかと迷った。結局、神保町へ出る。東京堂書店で佐野衛店長と土曜日に行われる都はるみトークショーの簡単な打ち合わせ。何でも商店街からも熱狂的ファンが何人か参加する。「本当に来るんだろうな」「写真をいっしょに撮れないだろうか」と騒がしいそうだ。鶴見俊輔さんたちが聞き手となった丸山眞男さんの『自由について』(SURE)を購入。神保町交差点からほど近い文華堂書店へ。ここは戦記物だけを扱っている古書店だ。吉村昭さんは『戦艦武蔵』を書くとき、ここで古書を購入している。

060921_17120002  日本陸海軍のインド洋への展開を記した記録を探すが見つからず。とりわけアンダマン・カーニコバル諸島での作戦について触れた記録はそもそも少ないのだ。この1年で収拾した公刊物、私的記録でほぼ尽きているように思えてきた。古書を漁ってるうちに「BC級戦犯」として処刑された人たちの情報はなかなか日本にまで届かなかったことを知る。たとえば木村久夫さんがシンガポールのチャンギー刑務所で絞首刑となったのは、1946年5月23日。日本の新聞で報じられたのは7月のことである。しかもそこで報じられたのは、死刑判決があったということだった。帰国兵士からの聞き取りでわかったことで、正式に政府に報告があったということではないのだ。留守家族からすれば刑の執行があったかどうかも不明だ。何と残酷なことだろうか。驚いたことに厚生省が処刑された日本兵の名前を公表したのは、1955年4月のことだった。すでに10年ほどの時間が過ぎていた。冤罪で死刑となった日本兵もいたが、その無念が伝達されるのに、これほどの時間が必要だったのか。戦争の混乱とは人間性を蹂躙してはばからないものなのだ。「倉木コーヒー」で喫茶「エリカ」で使っている珈琲豆を買って「萱」。まだ5時だがビールを飲む。昨年57歳で亡くなった画家の貝原浩さんが描いた「アルバイト募集」の絵があった。似顔絵や風刺画をさっさっと描ける才能はすごかった。階上にあるジェイティップルバーで軽く飲んで神保町を歩く。

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