登校中に車 急ブレーキの跡なし4月23日 18時12分
23日朝、京都府亀岡市で、登校中の小学生の列に軽自動車が突っ込み女の子と妊娠中の女性の2人が死亡し2人が意識不明の重体になるなど合わせて10人が死傷した事故で、現場には急ブレーキをかけた跡がないことが警察への取材で分かりました。
警察は、無免許で車を運転していた18歳の少年らを逮捕して居眠り運転の可能性も含め事故の原因を調べています。
23日午前8時前、亀岡市篠町の府道で、安詳小学校の児童らが集団登校する列に軽自動車が突っ込みました。
1年生から5年生の女の子8人と男の子1人、それに保護者1人の合わせて10人が事故に巻き込まれ、このうち、2年生の小谷真緒さん(7)と別の児童の保護者の松村幸姫さん(26)の2人が死亡しました。
松村さんは妊娠7か月くらいでしたが、おなかの赤ちゃんも助かりませんでした。
また、3年生の横山奈緒さん(8)と1年生の西田琉輝くん(6)の2人が意識不明の重体で、このほか6人が重軽傷を負いました。
軽自動車には友人同士の少年3人が乗っていて、警察は運転していた亀岡市の18歳の少年を逮捕して自動車運転過失致死傷の疑いで調べています。
少年は無免許運転で、調べに対して「子どもたちに当たったのは間違いない」と供述しているということです。
また、同乗していたいずれも18歳の大学1年生と専門学校生が少年の無免許を知っていたとして、道路交通法違反のほう助の疑いで逮捕されました。
現場の道路は幅6メートルほどの緩やかなカーブで、速度が40キロに制限され、当時は登校の時間帯のため、西向きの一方通行になっていました。
警察によりますと、車は直前に道路右側の植え込みにぶつかったあと子どもたちの列に後ろから突っ込み、およそ20メートル先の縁石や花壇に衝突して止まったということです。
また、現場には急ブレーキをかけた跡がないということです。
少年らが「一晩中、ドライブしていた」と話していることや、現場が比較的見通しのよい通りであることから、警察は居眠り運転の可能性も含め事故の原因を調べています。
“残念でならない”
事故に巻き込まれて亡くなった小学校2年生の小谷真緒さんと暮らす祖父は「病院に行った父親から死亡したと連絡を受けた。車を運転していたのは18歳の少年で無免許だと聞いているが、とにかく憎い。真緒は明るい子で昨夜も元気かなどと声をかけた。残念でならない」と話していました。
亡くなった松村幸姫さん(26)の夫の晶史さんは、搬送先の京都市内の病院で、「優しい妻でした。救急車の中で『頑張れ』と励ましましたが、助かりませんでした。何の落ち度もない人たちを巻き込んだ加害者が許せない」と話していました。
また、兄の中江龍生さんは「妊娠についてうれしいと話していました。娘が一人で学校に行くのが心配で付き添っていたと聞いていました。京都では祇園で多くの歩行者がはねられる事故があったばかりで、まさかと思いました。こんなことになり、悔しいです」と話していました。
父親の中江美則さんは、搬送先の京都市内の病院を訪れ「変わり果てた姿と対面し、ショックを受けました。おなかの中の赤ちゃんも母親も、なんとか助かってほしいと思っていましたが、あまりにむごい」と話しました。
▽ 登校中に車 小学生と妊婦が死亡 (4月23日 15時8分)
▽ 小学生と妊婦 4人が意識不明に (4月23日 14時19分)
▽ 小学生の列に車 3人意識不明 (4月23日 12時59分)
▽ 京都 小学生の列に車突っ込む (4月23日 10時5分)
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