放射性濃度測定施設:「ベクミル」利用者減、東京・上野店閉店へ 自治体無料検査に押され /千葉
毎日新聞 2012年04月23日 地方版
持ち込んだ食品や土などの放射性物質濃度を利用者が自分で測定する施設「ベクミル」の運営企業「ベクレルセンター」(柏市中央1)は22日、東京都内の上野店を26日で閉店し、柏店に集約することを明らかにした。自治体による無料検査が始まって利用者が減ったためで、高松素弘社長(47)は「赤字を支えられなくなった。残念だが、役割を終えたと思う」と話す。
上野店は、昨年10月オープンの柏店に次ぐ2号店。濃度の単位「ベクレル」を「見る」という意味で店名を決めた。東京電力福島第1原発事故の影響を心配する人が多く、昨年12月1日の開店直後は1日約20人の利用者がいたが、最近は減少していた。高松社長は「柏店には1日90人の来店があり、千葉県以外からの問い合わせも多かったので進出したが、都内には思ったほどのニーズはなかった」と分析する。
検査機器の使用料は1回3980円だったが、「オフィスの家賃とスタッフの給料を払うと、トントン」。柏店を含めた機器の設備投資費用約2000万円は全く回収できなかった。