ウワサの女の子がついに御用だ――。
長崎市の平和公園周辺で、女の子の寸借詐欺が相次いでいた問題で、長崎県警は17日、中学1年の女子生徒(12)を詐欺の非行内容で補導した。
生徒は2日午後6時半ごろ、公園近くの路上で女子大生(23)に「入院しているおじいちゃんに着替えを持って行きたい。急いでいるからタクシー代を貸して」と声をかけ、3000円をだまし取った疑い。生徒は連絡先を聞くこともなく、そのまま立ち去った。
県警には先月末から今月までの間、女の子に「お金を貸して」と声をかけられたという相談が29人から寄せられ、うち18人が現金計約4万3000円を手渡していた。いずれも生徒の犯行とみられている。
「生徒は身長約145センチで、小学校高学年ぐらいに見えるそうです。私服を着て、公園や大型スーパーなど人通りの多いところに足を運び、優しそうな女子高生や女子大生に次々と声をかけていました。『おじいちゃんが危篤で病院に行きたい』『財布を落とした』『家に帰りたいけどお金がない』など手口はさまざまだったようです。悲しげに話すので、思わず5000円を渡した女性もいた。被害者はまだ他にもいそうです」(地元紙記者)
“巧妙な”手口は自分で考えたのか、大人が入れ知恵したのか、県警は慎重に調べているというが、人助けをしづらい世の中になってきた。
(日刊ゲンダイ2012年4月19日掲載)