ももクロ初の横浜アリーナ公演の中盤。AKBの公演開演時に流れる「overture」が。総立ちのももクロファンは耳慣れぬメロディーに、やや困惑気味のどよめきが起きた。
ステージ後方からせり上がりで登場した指原は1万1000人の歓声を浴び、「すみませーん、ごめんなさい。ももクロさんお邪魔します」とへたれキャラらしく恐縮。「ももクロの皆さんにお願いがありまして…」。自身が手掛けるアイドルイベント「第1回ゆび祭り」(6月25日、東京・日本武道館)の、ももクロへの出演オファーを控えめに切り出した。
手荒い歓迎がももクロ流だ。高城れに(18)は「指原、いい根性してんじゃねえか。ここで1回歌ったら考えてやってもいいぞ!」と“宣戦布告”。指原も「やってやりゃあ!」と5月2日発売のソロデビュー曲「それでも好きだよ」を“アウェー”で歌い踊った。これに百田夏菜子(17)は、「いいか指原、首洗って待っとけー!」と出演を快諾した。
人気者同士の夢の共演の後、ももクロの5人にとっての重大サプライズが待っていた。
アリーナの円形ステージから歌手、松崎しげる(62)が登場して「愛のメモリー」の替え歌を歌い、ももクロの夏の恒例イベント「サマーダイブ」が今年も開催されることが発表された。さらに、松崎が持ち歌であるプロ野球西武の球団歌「地平を駈ける獅子を見た」を歌い始めたが、1979年に発表された楽曲をリアルタイムで知らない5人はきょとん。直後、スクリーンに「西武ドーム」と映し出され、やっと理解した5人は驚きで座り込んだ。
全員が10代のももクロにとって、初のドーム公演。8月5日に開催される公演は3万人を動員し、同所で公演する史上最年少グループとなる。
5人はユニホーム風の衣装を着ていたが、百田は「えー、だからユニホーム?」。この日のステージにはフジテレビ系「さんまのまんま」のキャラクター、まんまちゃんも登場しており、隣に並んだ西武の球団マスコットのレオとライナの姿に高城は「リハーサルでまんまちゃんの仲間と聞いていた」と大ぼけ。
サプライズの全容把握までに時間がかかるオチがついたが、5人は初の西武ドーム公演決定に目を潤ませ喜んでいた。
この日は最新シングル「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」や、佐々木彩夏(15)のソロ曲「あーりんは反抗期!」など24曲を披露。指原のほかにもゲストが続々と登場し、有安杏果(16)が在日ファンク、百田夏菜子が加瀬邦彦とザ・ワイルドワンズ、玉井詩織(16)がアコーディオン奏者、横森良造(78)、高城れにがデューク・エイセスらと共演した。公演は全国28カ所に中継され、22日も同所で。2日間で2万5000人を動員する。
(紙面から)