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俳優・高倉健(81)が主演映画「あなたへ」(8月25日公開)のワンシーンで、阪神タイガースの優勝を祝福していることが22日、分かった。高倉演じる倉島英二が、妻・洋子(田中裕子)との大阪旅行を回想する場面。立ち寄ったお好み焼き屋で六甲おろし」が鳴り響く店内でナインティナイン・岡村隆史(41)演じる阪神ファンと戸惑いながら乾杯する。
日本を代表する俳優、高倉健と、意外な取り合わせが実現した。
注目のシーンは、高倉演じる刑務所の指導技官・倉島が亡き妻・洋子との思い出を振り返る回想の中に登場する。偶然立ち寄った大阪のお好み焼き屋で食事をしている時、ちょうど阪神が21年ぶりの優勝。店のテレビで歓喜の瞬間を見ていた客たちの「六甲おろし」の大合唱の中、夫妻も強引に乾杯させられるというものだ。
戸惑いながらも乾杯に応じる倉島。演技ではあるが、高倉が阪神優勝を祝福した瞬間だ。高倉はハリウッド映画「ミスター・ベースボール」(93年)で中日ドラゴンズの監督を演じ優勝も“体験”しているが、阪神との対戦シーンはなかったため、今回が阪神との初がらみだった。
この異色のコラボレーションに立ち会ったのが、ナイナイの岡村。実は、2000年の「第23回日本アカデミー賞」授賞式で、同席した高倉が「いつか一緒にお仕事をしましょう」と声をかけたのがきっかけ。12年間、約束を忘れていなかった高倉が、大阪出身の岡村を指名して共演が実現した。
撮影は昨年9月25日に都内のスタジオで行われた。事前に阪神ファンの知人から「六甲おろし」のレクチャーを受けて臨んだ岡村は「絶対にNGを出してはいけない(せりふを)かんではいけない」と前夜はプレッシャーで眠れなかったという。それでも虎の法被を着込み、何とか高倉と乾杯。「夢のような時間でした」と高倉&阪神の初コラボにひと役買った。
「あなたへ」の公開は8月25日。ロングラン上映が見込まれており、公開期間中に現実のセ・リーグ優勝も決まりそう。大阪のお好み焼き屋とは言わないまでも、今年もどこかで高倉が阪神優勝を目にする時が来るかもしれない。
(デイリースポーツ提供)
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