エコ・ピックアップ:大卒者の3割は3年以内に離職 退職を強要する企業の存在も
2012年04月23日
西日本在住の大卒男性Aさんは今春、勤めた会社をわずか2カ月で「自己都合」により退職した。会社は西日本を拠点に展開するIT企業で、ハローワークの求人票を見て応募した。Aさんによると、「面接では、入社後に上司になった幹部から、事業を通した地域貢献も聞かされた」という。
しかし入社初日にこの幹部が、他の男性社員を怒鳴りつけた。同じ社員への叱責は1週間続いた。Aさんらが営業に出るようになると、幹部は契約や代金回収での強引なやり口を強要した。わずか1カ月の間に、耐え切れずに同僚4人が退職した。Aさん自身も「辞めたい」と思ったころには幹部から「家族に何かあってもいいのか」などと脅された。ついには殴られ、退職を決意した。「辞めるためには『一身上の都合』と自己都合退職にするしかなかった。幹部は社員を育てる考えはなく、意のままに働かなければ暴言を吐くばかりだった」と振り返る。