ニュースランキング

'12/4/20

職員飲酒運転に行政の対応は



 飲酒運転に対する厳罰化の流れの中、中国地方では、5県のうち岡山県、全54市では、うち15市が、職員の飲酒運転が発覚すれば「免職」「原則免職」と規定していることが19日、中国新聞の調べで分かった。ただ、下関市の懲戒免職処分を取り消した18日の山口地裁判決のように、行政側の毅然(きぜん)とした対応にブレーキをかける司法判断も出ている。

 5県では、岡山が唯一、飲酒運転が発覚すれば原則免職。広島、山口、島根は、「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」のいずれに当たるかや、事故の有無などで判断。広島は酒酔い運転はすべて免職とし、山口は、飲酒運転で人身・物損事故を起こしたケースを原則免職としている。

 全54市では、飲酒の程度や事故の有無を問わず一律免職が浜田、米子など島根、鳥取両県の4市。原則免職は広島、福山など5県の11市が定めている。このほか、三原、江田島など15市は、酒酔い運転の場合は免職と規定。岩国市や周南市などは、事故を伴う飲酒運転なら原則免職とする。

 原則免職は、勤務実績、飲酒から運転までの睡眠の有無などを考慮し、例外もあり得る、とされている場合が多い。

 飲酒運転をめぐっては、2006年に福岡市職員が幼児3人を死亡させる事故を起こしたのを機に、自治体が処分基準を厳格化した。一方、免職処分の是非を争う訴訟は全国で相次ぎ、三重県や神戸市、兵庫県加西市などでは行政側の敗訴が最高裁で確定。基準を緩和した自治体も出ている。

 広島市の担当者は「飲酒運転に厳しく臨む姿勢は変わらない。司法判断を踏まえ、慎重に判断したい」と説明。飲酒運転を例外なく免職としている大田市の担当者は、18日の山口地裁判決も踏まえ「今後も行政処分が覆る判決が続けば見直しの議論が必要だろう」としている。




MenuNextLast