- [PR]
政治
【都の尖閣購入計画】焦る民主党政権 日中関係懸念で国購入に異論も
2012.4.22 22:17
(2/2ページ)
平成22年9月の中国漁船衝突事件で日中関係が冷え切った後、民主党政権は関係改善に腐心してきた。今年秋に習近平中国国家副主席の共産党総書記就任が確実なだけに、政権移行期を利用してまず民主党の中国共産党との政党間外交の礎を築き、政府間の絆を強固にしようと考えたわけだ。
3月23日に輿石幹事長が北京で習氏と個別会談したのはその布石。政府が昨年8月に排他的経済水域(EEZ)の基点となる離島23カ所を国有財産化した際、尖閣周辺4島を除外したのも関係改善へのシグナルだった。
そんな“配慮”を重ねたかいもあって、7日の中国・寧波での日中外相会談で、東シナ海での危機管理メカニズム構築に向けた事務レベル協議の初会合を5月中旬に開くことで合意。それだけにある政府高官は「都の尖閣購入問題によりすべて台無しになりかねない」と憤りを隠さない。
都の購入表明により、もう一つ懸念が生じた。政府は16年4月に「あらかじめ認める場合を除き上陸等を禁ずる」とする内閣参事官通達を出したが、これは国が所有者と賃借契約を結んでいることが前提の措置。都の所有地になれば石原氏が次々に上陸許可を出す可能性は十分ある。
石原氏は「正式取得は来年4月」と言っていることもあり、政府は当面静観の構えだ。この「事なかれ主義」こそが事態悪化を招いてきたとの認識はない。
(杉本康士)
関連ニュース
- [PR]
- [PR]