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国際
【追跡~ソウル発】対南攻撃! 韓国国防省が資料で警告した北朝鮮の「攻撃可能性」と「長距離打撃力」
北朝鮮が核実験や軍事攻撃などの危険な挑発に出る可能性を強く匂わせ始めた。ミサイル発射と核実験の一時停止を盛り込んだ2月の米朝合意を破棄し、今後は「必要な措置を取るようになる」と宣言したのだ。軍事強行路線を世襲した金正恩第1書記を指導者に頂いた北朝鮮新体制は韓国を攻撃するのか。韓国国防省の資料は、北朝鮮の攻撃可能性と長距離打撃力が、いずれも「高い」として警告している。(ソウル 加藤達也)
2009-10年に酷似の情勢
北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射が不可避の段階に入った先月末、韓国国防省は「北朝鮮の長距離ミサイル発射に関する説明資料」を編集した。
国内メディアや国会議員、政府高官などに対して“北朝鮮のミサイルの脅威”をアピール、危機意識を高めるためのものだったとされるが、資料を見た在韓米軍筋は「分析は的を射ており、北朝鮮の脅威の現状を的確に伝えている」と指摘する。
金正日総書記の国防委員長再推戴があった1998年。国内の引き締めと国民向け特別配給実施のための食糧支援を確保する必要に迫られていた北朝鮮は、8月にテポドン1号を発射し食糧支援の合意と経済制裁緩和などの実利を得た。
2006年の発射当時、北朝鮮はマカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)の口座を凍結されていたが、ミサイル発射の結果、金総書記の“統治の原資”2500万ドルの凍結解除に成功。北朝鮮は98年、06年の2回の発射でいずれも大きな成果を獲得していた。
これに対して09年4月の発射は様相が違った。
前年の08年8月、金総書記の健康が悪化、09年1月、米国にはオバマ政権が誕生。北朝鮮では体制存続の危機感が高潮した結果、米朝直接交渉で体制保障の確約を取り付ける戦略を最優先に動く。
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